ブラックラムズ、今季5度目の逆転勝ち 〜リーグワン〜
21日、「NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2025-26」第9節、6位のリコーブラックラムズ東京vs.8位の浦安D-Rocks戦が行なわれた。ブラックラムズがD-Rocksを41―19で破り、今季2連勝。3トライ差以上のボーナスポイントを加えた勝ち点5を獲得し、暫定5位に浮上した。
2週間ぶりの駒沢帰還。2月1日の第7節は、吹雪に見舞われ、埼玉パナソニックワイルドナイツの堅守に苦しめられた。この日は雲一つない天気で両チームのフィフティーンを迎えた。キックオフ直前、スタジアムMCが「今季ラムズの4勝全てが後半に逆転勝ち。最後まで応援宜しくお願いいたします」とアナウンスした。
先制したのはブラックラムズだ。前半8分、ラインアウトモールを起点にチャンスメイク。WTB西川大輔がトライエリア左隅に飛び込んだ。14分にはラインアウトモールから、この日が31歳の誕生日だったHO大西将史がフィニッシュ。「あまり(誕生日という)意識はしていなかったけど、いいかたちでモールを組めたので取れると思った」。SO中楠一期のコンバージョンキックが決まり、12点のリードを奪った。
4連敗中でプレーオフ争いに踏みとどまるためにも、ここで負けられないD-Rocksも反撃する。17分、ラインアウトモールからNo.8ホネティ・イオアネがトライ。33分には、相手のパスが乱れたところでWTBイズラエル・フォラウがボールを奪い、トライエリアまでボールを運んだ。いずれもSO田村煕がコンバージョンキックを成功し、14―12で逆転。終盤、イエローカードで1人少ない状況も無失点で耐えた。
前半終盤と後半開始早々と数的優位の状況をなかなか生かせなかったブラックラムズだが、5分に再逆転に成功する。大西が相手ボールをもぎ取り、オフロードパス。抜け出したSHのTJ・ペレナラがFBアイザック・ルーカスに繋ぐ。ルーカスがスピードを生かし、トライを挙げた。「タックルした後にチャンスがあったので狙いにいきました」と大西。この日はプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
9分、21分にはWTBメイン平が連続トライ。ともに中楠のコンバージョンキックを成功させ、リードを広げる。ペレナラがイエローカードでピッチにいない10分間は相手の得点を許さず、PGで3点を加え、勝負を決定付けた。
終盤、互いに1トライを奪い、41―19でノーサイド。プレーオフ圏内のトップ6を争う両チームの戦いは、ホストのブラックラムズに軍配が上がった。
試合後、ブラックラムズのタンバイ・マットソンHCは「試合内容には非常に満足しています」と総括し、こう続けた。
「トップ6に入るためにも、ボーナスポイントを獲得できたことは非常に重要な結果でした。来週は連覇中の東芝ブレイブルーパス東京と対戦しますが、ここまで非常にいいブロックを過ごせていると感じています。改めて言いますが、とてもハッピーです」
キャプテンのペレナラは「一番誇りに思っているのは、パフォーマンスを繋げることができていることです。試合に勝つにも、優勝するにも必要。小さいことをやり続けることが大事ですから」と胸を張った。
西辻勤GMは前半戦を振り返り、こう分析している。
「日本代表がたくさん選ばれたことで、チームづくりが遅れた印象を持っていました。ケガをしたメンバーが順調に復帰してきてくれたのが好調の要因かなと思います。勝ちが選手たちに自信を植え付け、相乗効果が生まれている」
中でも今季のブラックラムズは反則の少なさが目立つ。この日もD-Rocksより3個少ない9個。9試合計80個。1試合平均8.9はディビジョン1最少だ。大西によれば「練習の中でオフサイドは厳しく見られているので全員がハーフメートル下がる意識で取り組んでいるのが試合に出ているのかなと思います」とのこと。メインは「反則に関しては日頃の練習で厳しく見ている。前提としてオフサイドはあり得ない。練習でオフサイドをしたら罰がある。名指しされますし、“自分はなりたくない”という思いになる」と口にする。
ハンターの如くブレイクダウンでボール奪取を繰り返すFLリアム・ギルは、「自分たちのディフェンスを信じている。ブレイクダウンで無理をしない。ペナルティーが減れば、自陣での時間は減る」と語った。タンバイ・マットソンHCは「選手たちが規律を意識してプレーしてくれています。特にFWが非常に良いパフォーマンスを続けており、それがペナルティーの減少に繋がっている。ブレイクダウンへのフォーカスに加え、レフリーにクリアなピクチャーを見せたいと意識しています。ただしペナルティー自体は少ないものの、イエローカードの数は多い。今後はそこを改善していきたいと考えています」と課題も口にした。
もうひとつは圧倒的勝利を誇るマイボールスクラムだ。この日も100%成功。9試合トータルで見ても、Jsportsラグビーサイトのデータ(提供Opta)によれば9割を超える成功率を誇る。スクラム安定の要因は、「コーチとパディーの影響が大きい」とギルは言う。プレーイングコーチのPRパディー・ライアン自身は「特別なことはしていない。コーチとしてのアドバンテージは自分でスクラムに入れること。その時に感じられた何かを伝えられる」と説明。大西も「1週間の準備が試合に表れている。ユニット練習でノンメンバーがプレッシャーをかけてくれる。FW全体のエフォートだと思います」と述べた。
ディシプリンとセットプレーが安定した黒羊軍団がリーグワンの台風の目となるか。ギルは昨季からの上積みを「試合に勝つ方法を見出せてきている」と言い。「これからタフなゲームが続く。本気でトップ6を狙えるかどうかがテストされる」と前を見据えた。
(文・写真/杉浦泰介)