明治大学・高野氏、新監督のバトン引き継ぐ「大きなチャレンジ」
4日、明治大学は体育会ラグビー部新監督就任会見を東京・駿河台キャンパスで行なった。2021年より監督を務めた神鳥裕之氏は今年3月31日をもって任期満了、後任には高野彬夫氏(現HC)が4月1日付で新監督に就任する。両名は会見に出席し、前監督の神鳥氏は「彼しかいない」と太鼓判。高野新監督は「大きなチャレンジになっていくと思いますが、何より明治大とラグビー部の選手たちのために全力を注いでいきたい」と抱負を語った。
7年ぶりの大学日本一を果たした明大が、神鳥氏の参謀・高野氏を新監督に据えた。指揮官交代は2025年度を迎えた時からの既定路線だったという。「5年前の就任会見で、自分が何を話したかなと思って振り返ってみると、『優勝争いをするチームをしっかり作りたい』という話をしました」と神鳥氏。在任5年間で優勝1回、準優勝2回、ベスト4は1回。
「結果だけを見れば、勝ち続けることは難しかったですが、本当に優勝争いをできる、常に年越しをできるチームをつくれたというのは自分にとっても安堵している。一番いい形でバトンを繋げるということで、本当に信頼できる、2年間ヘッドコーチとして私を支えてくれた高野新監督が2連覇、3連覇を目指して新しく、いいチームをつくってくれることを期待してバトンを渡したいなと思っています」
新監督はこう抱負を述べた。
「神鳥監督から重責を引き継いだという思いはありますが、何より去年の今頃、神鳥監督を最後に優勝して送り出そうという決意の下、スタートし、こうやって素晴らしい形でバトンを受け継げたことに、本当に感謝しております。いろいろな人に神鳥さんが勝って、『プレッシャーなんじゃない?』と言われるのですが、私としてはこんなありがたいことはないと思っています。常々、学生に『チャレンジしよう!』というようなことを言っています。(監督就任は)僕にとって大きなチャレンジになっていくと思いますが、何より明治大とラグビー部の選手たちのために全力を注いでいきたいです」
高野氏は天理高、明大を経て、クボタ(現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)に入社。明大4年時は主将を務めた。クボタでは8シーズンプレーし、引退後は24年までアナリスト、アシスタントコーチを務めた。24年6月より明大HCに就任し、神鳥氏を支えた。神鳥氏は高野氏との思い出にいて、「いつも前向きな言葉で意見をくれる。監督は孤独。私にとってみれば、それが助かった。チームがよくない雰囲気の時にポジティブに転換できる人物です」と振り返った。昨年8月下旬、部員の飲酒が判明し、チームが分裂しかけた際、東京・八王子市の高尾山で登山レクリエーションを実施するアイディアを提案したのが高野氏だという。「様々な場面で私の判断の助けになった」と感謝した。
だからこそ後を任せることに迷いはない。「こういう仕事をやっていると、いろんな方と接する機会が多いので、やはりラグビーを教える側面だけじゃなくて、明治の監督、顔として、あらゆるところに対してしっかり責任を果たすような振る舞いや態度が必要になってくる。そこでやはり彼がラグビーの選手も経験しながらコーチも経験して社会人も経験してきた。2年間、隣で見てきて、そういったところの経験が今、大学スポーツの中でも十分に生かされていると肌で感じていましたので、安心して任せられるかなと思いました」

高野氏は新監督としての目標を問われると、こう答えた。
「皆さんが期待している言葉はわかるのですが、私としては常に勝ちにこだわっていきたいですし、もちろん昨シーズン、見せていただいたような景色をもう一度見るというのも当然ですが、今まで、明治大の歴代監督が、僕の学生の時もそうでしたが、しんどいところから積み上げてきて、ようやくまたチャンピオンになることができた。生活面だったり、ラグビーの強い、明治の新しい文化など環境をしっかりつくっていくことは、私の監督としての役割なのかなと思っております」
そして、こうも。
「勝利にもこだわりますが、見ている人が面白いと思えるようなラグビーを目指したい。何より明治らしいさ、今までにある“前へ”や“重戦車”などを出すために、ただその言葉だけを掲げていてもダメだと思うので、それらをやるためのラグビーというのを選手に伝えていきたい」
(文・写真╱杉浦泰介)