ガーベラの花畑と化したグランディ・21 ~羽生結弦 notte stellata 2026~
アイスショー「東和薬品 presents 羽生結弦 notte stellata 2026」が7日から9日にかけて、宮城県内のセキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)で行なわれ、羽生結弦をはじめとしたプロスケーター、スペシャルゲストの東北ユースオーケストラが出演した。出演者はフィナーレで、歌手・MISIAの楽曲「希望のうた」にのせてパフォーマンスを披露するなど、東日本大震災の被災地から希望を発信した(取材は初日公演、初日の観客数は6500人)。

Ⓒnotte stellata
2023年から始まったアイスショー「notte stellata」。座長の羽生は2011年3月11日、東日本大震災の被害に遭い、避難所で過ごした。そこで彼は満天の星空を見て、希望を感じた。被災地を照らした満天の星のように、“希望を発信し、人々が少しでも笑顔になれるきっかけ”づくりがショーのコンセプトだ。
これまでの「notte stellata」のキービジュアル(ポスター)には、満天の星空をバックにした羽生が写っているものが主だった。
4回目となった2026年のキービジュアルには、星空と羽生と色とりどりのガーベラの花が写っていた。ガーベラの花言葉は「希望」「前向き」。さらに色ごとにガーベラの花言葉は細分化されている。
「notte stellata 2026」のグッズには、10色に光るペンライトがある。懐中電灯としても使えるという。公演中はスイッチをオンにしておけば、自動的に演出に合わせて色が変わる仕様だ。
羽生は初日公演の序盤、マイクを使いこう語った。
「みなさんが持っていてくださるライトを始め、バックステージに星空があるように、僕たちひとりひとり、スケーターひとりひとりがみなさんにとって少しでも希望の星になれますように。そして、15年という時が経ったからこそ、より一層あの時同様にひとりひとりの力を合わせ、みなさんが帰るときに言葉を交わさなくても、ちょっとでも輪(和)を感じられるように、絆を感じられるように。そんな公演にしていきたいと思います」
今回のショーの中で、ペンライトが一番感動的な演出をしたのは、フィナーレ「希望のうた」(MISIA)のとき。イントロは東北ユースオーケストラが演奏した。この時、直前で演技を披露した羽生はリンクから降りて、他のプロスケーターが氷上に立った。

Ⓒnotte stellata
歌詞のはじまりに合わせるように、観客席はペンライトで青一色に染まった。筆者の目視だと、1回目のサビでペンライトは紫、緑、黄色のまばらの3色に。サビが終わり再び青一色に。またサビに入ると同様の3色に変化した。
次は温かな黄一色になると、黄色の衣装を身にまとった羽生が勢いよくリンクに現れた。そして、大サビを迎えると客席は紫、緑、黄、赤、青、オレンジに染まった。
その光景は、色とりどりのガーベラが気持ちよさそうにそよ風に揺れているようだった。グランディ・21が、ガーベラの花畑と化した瞬間だった。

Ⓒnotte stellata
今年の「希望のうた」はプロスケーター、東北ユースオーケストラ、観客が三位一体となっての演出であり、三者による“希望”の発信だったといえよう。
文の冒頭に出演者を記載したが、「観客」を加えるべきに思った2026年のnotte stellataだった。
(文/大木雄貴、画像提供/notte stellata広報事務局)