第834回 WBCの「敢闘賞」はイタリア

facebook icon twitter icon

 大相撲風に言えば、第6回WBCの「敢闘賞」は、ノーマークながらベスト4に進出したイタリアだろう。

 

 

 準決勝で、初優勝を果たしたベネズエラに2対4で逆転負けを喫したものの、それまでの戦いぶりは見事だった。

 

 1次ラウンドはスター軍団の米国を8対6、ダークホースのメキシコを9対1で下すなど無傷の4連勝で、決勝トーナメントへと駆け上がった。

 

 準々決勝では、過去に2度決勝に進出しているプエルトリコに8対6で打ち勝った。試合後、キャプテンのビニー・パスカンティーノは「イタリア野球界にとって最高の日だ」と喜んだ。

 

 ちなみに大会前の米「ドラフトキングス」による優勝予想オッズは81倍。これは出場20カ国中9位だった。

 

 2023年の第5回大会で、パスカンティーノが始めたエスプレッソを飲むホームラン・セレブレーションも、すっかりお馴染みになってきた。その際に羽織るジャケットはアルマーニ製。なんともオシャレな組み合わせである。これも、お国柄か。

 

 とはいえ、今回の代表チームに、イタリア出身者は3人しかいなかった。30人のロースター中、24人を米国出身者が占めた。

 

 WBCでは、本人が望めば、親が国籍を持つ国、あるいは親の出身国の代表選手になることができる。米国には約1700万人のイタリア系米国人が住んでいる。米国の人口の5~6%を占める計算になる。

 

 MLBにも、イタリア系の名選手はたくさんいる。とりわけヤンキースに多く、トニー・ラゼリ、ジョー・ディマジオ、ヨギ・ベラ、フィル・リズート、ジョー・トーレは、いずれも殿堂入りを果たしている。

 

 ちなみにマフィアと言えばイタリア系。『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾは、気品あふれるプレーをするディマジオの大ファンで、コルレオーネ家の殺し屋アル・ネリを「もうひとりのディマジオになれた男」と描写している。

 

 光と闇が交錯した1940年代のニューヨークらしい話だ。

 

<この原稿は2026年4月13日号『週刊大衆』に掲載されたものです>

 

 

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP