昨年の12月8日(土)、第3回「愛媛FCサポーターズミーティング2012」が、松山市総合コミュニティセンター(企画展示ホール2階)にて行われた。2012年では最後となるサポーターズミーティングである。今回は2012シーズンを振り返り、さまざまな課題を取り上げつつ、2013年の活動へと活かすための意見交換の場として開催される運びとなった。さらにはシーズン終了後ということもあり、納会を兼ねて3部構成のイベントとして行われたのである。
 第1部では、「ツンさんの被災地報告会」が行われた。「ちょんまげ支援隊」の隊長として活動されているツンさん。ジャパンブルーの鎧を身に着け、ちょんまげのカツラを被り、サッカー日本代表の応援でも御馴染みの方である。

 彼は日頃、サッカーの応援だけではなく、大震災に見舞われた東北にて献身的な支援も行っておられるのだ。その活動をツンさんの解説と現地で撮影された映像資料で振り返り、愛媛と被災地との気持ちの距離を少しでも近づけたいという企画である。

 報告会が始まると、被災地の状況や被災された方々の暮らしや心情など、私たちには計り知れない惨状や苦悩がツンさんの口から生々しく語られた。私たちサポーターも2012年の5月に、宮城県を訪れ、微力ながらボランティア活動などに従事した。ツンさんの話を伺っているうちに、その時感じた気持ちがリアルに蘇ってきて思わず目頭が熱くなってしまった。

 それでも、見せていただいた映像の中で被災地の人々と交流されるツンさんたちの周りに集まる子供たちに笑顔が戻っているのを確認できた時には少し気持ちが救われる感覚を覚えた。東北での復興ボランティア活動。私たちも一度限りにしないで、再度、被災地を訪れなければならないと、この報告会を通じて思った。


 続く第2部では、第3回「愛媛FCサポーターズミーティング2012」が行われた。時刻は13時を過ぎ、会場には約70名のサポーターやマスコミの方が詰めかけ、賑わいをみせていた。そんな中、私たち「ラランジャ トルシーダ」も集う「愛媛ゴール裏net」から2012シーズンに行った以下のような活動の報告が行われた。

◆サポーターズミーティングを年に3回、開催できた。
◆シーズン開幕前に新しい横断幕の作成を行った。
◆東日本応援ツアー(被災地復興ボランティア活動)の実施。
◆ベガルタ仙台サポーターから相談を受けて、南三陸町伊里前福幸商店街に愛媛FCチームフラッグを寄贈。
◆樹脂製ボード(オレンジ色&ネイビーブルー色)合計3000枚を購入し、ホームゲーム時のバックスタンドにてコレオグラフィーを実施。
◆ホームゲーム開催日に広島サッカー専用スタジアム建設の署名活動への協力を行った。
◆アウェイ応援バスツアーの企画と実施。
◆愛媛県下にてボランティア活動を行った。
◆下部組織(愛媛FCユース&レディース)の応援活動。

 そして来年の目標については、
◆ダービーでの勝利。
◆ゴール裏スタンドのサポーターの増員。
◆スタジアム全体の集客への貢献。
 などが挙げられた。

 またゴール裏netとともに、今回のイベントを主催していただいている「愛媛サポートクラブ」からは、アウェイでの愛媛FCグッズ&愛媛物産の販売や被災地支援などの報告が行われた。

 もうひとつの主催団体「EHIMEオ〜レ!」からは、愛媛FCの試合を継続して観戦する子供たちを増やす企画である「オーレキッズ」やm「夢バス(キッズバスツアー)」などの活動が映像を交えて報告された。

 そして今回、特別に参加いただいている愛媛FC・佐伯真道ゼネラルマネジャーからは、2012年11月に発表された2013年から2015年までのアクションプランについて説明がなされた。その上で、プラン遂行のため「サポーターに協力をお願いしたいことがある」と、次の3点を挙げられた。

(1)観客の増員への協力。
(2)スタジアム内の雰囲気UPへ向けた協力。
(3)スポンサーの紹介、ファンクラブへの加入、シーズンシートの購入や募金といった健全経営に向けての協力。
 これらは私たちのサポーターの目標とも合致する部分は多いのでぜひ協力していきたいと感じている。

 以降、質疑応答が行われ、3時間にわたるミーティングは無事終了した。最後にツンさんからホームゲームでの集客数が伸び悩む愛媛FCについて、問題解決への姿勢について助言をいただいた。
「現状に満足することなく、諦めないで仲間を増やしていくことが大切。口コミでも友達を通じてでも良い。まだまだ、これから自分たちの手でサッカークラブの未来を創ることができる。今は、お金がない中で工夫してクラブを育てる面白さがあると思う。皆は(TVゲームの)『サカつく(プロサッカークラブをつくろう)』を身をもってリアルに体感できる立場にいるのだから、もっと楽しめるはずだ」


 その後の第3部は愛媛フットサルパークに場所を移し、皆で楽しくフットサル大会を行ったのである。寒空の下、約40名のサポーターたちが4チームに分かれ、老若男女、入り乱れての大会となった。しかし、その寒さもいつしか忘れるほど熱く楽しい時間を過ごせたし、サポーター同士の親交を深め合うこともできた。

 この日は、朝10時から夜20時まで長時間の一大イベントとなったが、主催者や参加者の皆さんのおかげで、内容が濃い有意義な1日を過ごせたことに感謝している。この集いを糧に来る2013シーズンに向けて心と身体を整え、仲間がいる幸福を感じながらサポーターとしての活動を頑張っていきたい。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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