第324回 FIFA会長、拡大政策に勝利宣言
熱戦が続くサッカーW杯北中米大会。約半世紀前まではポルトガルの植民地だったアフリカ大陸の西、大西洋に浮かぶ人口60万弱のカーボベルデが、W杯初出場で決勝トーナメントに進出した。
W杯優勝経験国のスペイン、ウルグアイに続き、サウジアラビアとも引き分け、2位でグループリーグを通過した。
決勝トーナメント進出の立役者は、ファインセーブを連発したGKボジーニャ。初戦前まで5万人だったインスタグラムのフォロワー数は、試合のたびに増え続け、とうとう1700万人を突破したという。大会前に誕生日を迎えたばかりの40歳は、さながら現代の“シンデレラボーイ”ならぬ“シンデレラおやじ”である。
カーボベルデの国内での愛称はブルーシャークス。大会を通じての“サメ軍団”の躍進を、誰よりも喜んだのが、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長だ。自らが主導した出場枠の拡大政策について「これで完全に正当化された」と誇った。
32から48チームへの出場枠拡大は、2016年2月のFIFA会長選に立候補した際のインファンティーノの公約(当初案は40チーム)の柱だった。
だが、これについては「W杯の価値が下がる」「試合数の増加により選手の故障リスクが高まる」など、否定的な声が渦巻いた。そんな中、賛意を示したのが、出場機会の拡大が自国のサッカー振興につながると考えたアフリカ連盟とアジア連盟。インファンティーノは、票の見返りとしてアフリカ枠を従来の5から9.5、アジア枠を4.5から8.5に拡大した。
もちろんカーボベルデ協会も、拡大政策を支持したアフリカ連盟の加盟協会のひとつ。代表監督のペドロ・ブリトは、「(出場枠の拡大により)大きなチャンスを得た」と執行部に感謝の意を表した。
次回のFIFA会長選は、来年3月、モロッコでの総会にて実施される。インファンティーノに有力な対抗馬はおらず、続投が有力視されている。
<この原稿は『週刊大衆』2026年7月20日号に掲載されました>