5月18日(土)の午後、愛媛県松前町にある大型ショッピングモール「エミフルMASAKI」に、愛媛FC事務局スタッフとサポーター有志(約20名)が集結した。ホームで翌日に行われるヴィッセル神戸戦のマッチデープログラムと、6月8日に行われるコンサドーレ札幌戦の告知チラシ、さらには愛媛FCサッカースクール生の募集を呼びかけるチラシの配布活動を同モールにて行ったのである。
(写真:定期的に行われているチラシ配り(松山市駅前))
 このチラシ配り活動は愛媛FC事務局主催によるものだが、今回、私たちサポーターも参加し、お手伝いすることになった。過去には松山市内の街頭などでも、頻繁にチラシ配りを行っていたものだが、こうして事務局と合同で活動することは久しぶりに感じる。

 クラブの抱える問題として取り沙汰されているホームゲームにおける集客数の伸び悩みに関しては日頃、サポーター個々も危機感を感じている。その打開に向けてチラシ配り活動への協力をクラブ側に提案し、実現するに至った。
 
 また活動の場所を公共交通機関を利用する方が多く往来する松山市中心街(駅周辺)から、郊外のショッピングモールへと移したのは、自家用車を所有しているファミリー層へとターゲットを切り替えることで、「スタジアムの立地に対応できる新たなファン層を獲得できるのでは」との考えからである。

 確かにニンジニアスタジアムへ足を運ぶには、マイカーを所有していないと不便に感じる方も少なくないと思う。スタジアムの立地は中心街からはるか遠く、丘の上で高低差もあり、自転車や原付バイクでのアクセスは大変である。

 かと言って、近くに鉄道は通ってはいないし、路線バスの本数も限られているので、よりディープに愛媛FCを応援し、サポーターとして活動するには、車を持っていないと困難な場所であるのは明確な事実だ。
 
 今回のエミフルMASAKIでの活動だが、スタッフとサポーターが3カ所の施設出入口にそれぞれ分かれ、往来する人々に向けて声をかけながらチラシの配布を行うことになった。約1時間半の活動の内、頑なに受け取りを拒む方もいたが、概ね皆、笑顔でチラシを受け取ってくださった。

 中には足を止めて興味深く私たちの話を聞いてくださる方や「頑張ってね!」と励ましの声をかけてくださる方もいた。人々のさまざまな反応から愛媛FCの認知度や好感度なども再確認でき、有意義な時間を過ごすことが出来た。
 
 今後も事務局主催のチラシ配り活動は定期的に行われる予定なので、私たちも積極的に参加して、クラブの認知度&好感度の向上に努め、ホームゲームの集客力アップを目指したいと思う。


 ここ最近、ガンバ大阪戦におけるJ2各クラブのホームゲーム観客動員の大幅増員効果が、「ガンバ特需」や「ガンバノミクス」などとマスコミにて表されている。5月26日(日)に行われた愛媛FC対ガンバ大阪の一戦も例に漏れず、ニンジニアスタジアムには1万人を超える観客が詰めかけ、大入り満員の大盛況となった。
(写真:対ガンバ大阪戦、超満員のゴール裏スタンド)
 
 これまで愛媛FCでは1万人を超える観客動員を記録した試合が過去に3度あったが、前売りチケットが(しかも試合10日前までに)完売状態になったのは今回が初めてのことである。
 
 迎えた試合当日、驚くことに開場40分前にはスタジアムの周りに幾重もの行列が発生し、それでも収まりきらず行き場を失った人々の列が、スタジアムの東側駐車場へと続く階段下部にまで伸びていた。

 私たちが入場しているホーム側ゴール裏スタンドも、一般チケット入場者の開場時間とともに瞬く間に座席が埋まっていった。この中には愛媛FCの試合を初めて観戦するという方もいるはず。そういった方々にリピーターとなっていただき、再度、スタジアムへと足を運んでもらうため、この日はサポーターもさまざまな工夫を凝らし、独自の活動を展開した。
 
 たとえば、ホームゲームの際に配布しているサポーターによる手作り情報誌「愛媛FCサポーターズ通信」を2000部(いつもの4倍の数)用意し、観客へと配布。同時に、あとから入場してくるお客様のために席を詰めて座っていただくように説明して廻った。

 試合開始1時間前には、スタンド中央にて応援練習を開始。両サイドの観客の方々にも練習への参加を促した。また、スタンド内でのサポーター同士の一体感を感じてもらうため、観客によるパフォーマンスとして広く知られている「ウェーブ」も行い、会場内を盛り上げた。

 選手入場時には、マッチスポンサーより事前に配布されていたオレンジ色のコレオボード(兼メガホン)を利用し、スタンド全体での「コレオグラフィー」を実施。試合中もゴール裏スタンド全体に人員を配置し、応援の誘導などを行ったこともあり、初めての観戦の方々にも愛媛サポーターによる熱き応援を肌で感じてもらえたのではないかと思う。
 
 特需に沸く暇もなく、クラブにとってもサポーターにとっても慌しい一日となったガンバ大阪戦だったが、この日の活動が今後、リピーターの増加に少しでも繋がってくれることを期待してやまない。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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