二宮: 今月は特別バージョンでお届けします。以前、田中雅美さんからアスリート女子会がたびたび開かれて、各競技からいろんなメンバーが集まっているという話を聞きました。そこで、このコーナーでも、ぜひ女子会を再現しようという企画です。なかなかスケジュール調整が大変で(苦笑)、実現まで時間がかかりましたが、豪華メンバーが集まりました!
荒川: 実は杉山さんとは初対面で、とても楽しみにしてきました。お酒をいただきながら、いろいろお話をを伺えるとうれしいです。

二宮: では早速、乾杯から。そば焼酎「雲海」のSoba&Sodaで。
一同: カンパーイ!!

二宮: Soba&Sodaはいかがですか。
杉山: 以前、このコーナーでは「那由多(なゆた)の刻(とき)」をロックでいただいて、今回のソーダ割りは初めて。めちゃくちゃサッパリしているので、ぐいぐい飲み過ぎてしまいそうですね(笑)。

田中: 私はもう何度もいただいていますが、ソーダ割りは本当にお気に入りですね。クセもなくて、香りもさわやかなのでとても飲みやすい。
荒川: そば焼酎はクセがなくても、しっかりとした味わいがある。ソーダで割っても、それが消されないのがいいですね。水やソーダで割るとお酒が薄まってしまうのがイヤで、いつもはロック派ですが、そば焼酎「雲海」はソーダ割りでもおいしい。

 ひとり飲みのオヤジ系女子?

二宮: 皆さん、競技生活に一区切りをつけてから、さまざまなフィールドで活躍しています。なかなかお酒を楽しむ時間も限られてくるのでは?
田中: でも、私の場合は、どんなに疲れていても、お酒をいただくことで気持ちがリセットできるんです。友達と会って、おしゃべりをしながら飲むと、自分を取り戻せるような気がします。だから仕事が終わってから、いきつけのお店に寄って、一杯いただいて帰ることも多いですね。

杉山: ひとり飲みもするの?
田中: ひとりで行くこともありますよ。

杉山: それはオトナだ!
田中: 良く言えばオトナ、ちょっと間違うとオヤジかもしれません(笑)。

二宮: でも競技生活をしていると、なかなか飲めなかったでしょう?
田中: 競泳の練習は朝が早いので、前日のお酒が残ってしまうと泳げない。週末の休み前に少々たしなんでいた程度です。引退してからは、現役時代の反動で不摂生な生活をしてみたくて(苦笑)、朝まで飲んだり、朝、昼の食事を我慢して、夜の飲み会に行ったりしていました。

杉山: そこまでやったことはないけど、確かに不摂生には憧れるな(笑)。規則正しい生活をしていた分、引退すると朝も起きたい時に起きる感じになっちゃいますね。
田中: 昔と比べると「なんて堕落した生活なんだ」と思うけど、その分、「やる時はやる」というオンとオフははっきりしているのではないでしょうか。

 水の中で体をリラックス

荒川: 私は逆で、今のほうが規則正しい生活ですね。競技生活時代は、お酒を飲まない日のほうが少なかったかもしれません。実はお酒を完全にシャットアウトしていたのは、トリノ五輪前の1カ月間だけなんです。

二宮: 本当ですか!?
荒川: 基本的に、お酒を皆で楽しく飲むのが大好きなんです。特に海外でトレーニングをしている時は娯楽がない。練習は夕方までに終わるから、その後の一杯がおいしく飲めるように頑張るという感覚でした。お酒を飲んで翌日のパフォーマンスが落ちたと思うこともなかったので……(苦笑)。

杉山: それはすごいね! フィギュアスケートは回転もあるし、気持ち悪くならなかったの?
荒川: それがなかったので飲んでいたんでしょうね。むしろプロに転向してからはスケート以外の仕事をさせていただくようになり、翌日のことを考えると以前に比べて機会が少なくなりました。ショーがあるので、どんなに予定が詰まっていても練習を1時間から1時間30分は毎日続けていると、その分、時間がなくなってしまう。

田中: 飲めないことでストレスがたまったりはしない?
荒川: お酒の時間はもちろん楽しいのですが、それで練習ができなくなってしまうほうが精神的にツラくなることが予測されて……。プロとして高いレベルでパフォーマンスをみせるのは、年齢的なことを考えても、そう長くはできない。休んだり、お酒を楽しむのは、いつでもできる。おそらくプロスケーターになってからのほうが、杉山さんや田中さんの現役時代の考え方に近づいてきているんじゃないかと思います。

二宮: では、何か他のことで気分転換を?
荒川: 私は解説のシーズンに入ると、イスに座ってジッとしていることが多くなるので、スケートの練習以外に体をリラックスさせる時間を大切にしています。全身をゆったりさせるには泳ぐのが一番。もともと小さい頃、スケートを始める前に水泳をしていたので、泳ぐのも大好きなんです。水の中にいると、何にも縛られない感覚になれるのもいいですね。

田中: それはうれしいな。でも、いざ泳ぎ始めるとストイックにガツガツやってしまうのでは?
荒川: そうなんです。それがちょっと困りもので……。たまにやり過ぎて、かえって疲れちゃいます(苦笑)。

杉山: アスリート魂に火がついちゃうんですよね。
荒川: 疲れが心地よいというか、そのほうが夜にグッスリ眠れるんですよね。上を向いて背泳ぎの格好で、平泳ぎをすると気持ちがいいです。

 フィギュアは性に合わない!?

二宮: 荒川さんはバイクに乗るのも好きだと聞きましたよ。
杉山: テレビで見ました。かなり大きいのに乗ってた! 

荒川: 1300ccのバイクです。以前は全く興味がなかったんですけど、たまたま女性がバイクに乗っているのを見て、「かっこいいな」と。それで教習所に通って、免許も取りました。休みで天気が良くて体調も良ければ、バイクで出かけますね。
田中: 私もバイクに憧れた時期があったんですけど、なかなか実行には移せない。その行動力は見習いたいな。

荒川: 思い付きで始めることは多いですね。他にもスカイダイビングとか。ずっとインドアで競技をやってきたせいか、アウトドアに興味が湧くんです。
田中: へぇ〜。お酒の飲み方も含めて周りから見ると、おしとやかなイメージがあるから、すごくギャップがありますね。

荒川: 私自身は室内よりも外にどんどん出ていきたい性格です。正直、フィギュアスケートはこれまでやってきた競技の中で、一番、自分の性には合ってないと感じます(笑)。小さい頃はジャンプをするのが好きでしたが、演技をするのはちょっと抵抗がありましたね。

二宮: 五輪では高い演技力も評価されて金メダリストになったのですから、その話は意外ですね。
荒川: その大切さに気づいたのは大人になって、20歳を過ぎてからですね。 

二宮: 杉山さんの気分転換法は?
杉山: 現役時代はテニスをやっている時間以外はすべて疲労をいかに回復させるかに重点を置いていました。そのために食事もお風呂も休養も睡眠もトータルで考えてルーティンワークのようにこなしていく。その頃の大変さと比べると、今はどんな仕事も楽しくやらせてもらっています。だから、気分転換や疲労回復で特別に何かしたいとは感じないんです。ただ、体を動かすことが好きなのでゴルフには出かけますね。気候のいい時期に、外で思い切りスイングするのは気持ちがいいですよ。

 海外では活字に飢える

二宮: やはりアスリートだけあって、体を動かしてリフレッシュするタイプですね。田中さんは?
田中: 私は移動中や空き時間に読書をするのも好きですね。20歳過ぎまではそれほど本は読まなかったのですが、米国に留学していた時に活字に目覚めました。英語だらけの環境で、急に日本語が恋しくなったんです。

杉山: そうそう! 日本語に飢える。1年の大半を海外で過ごしていると、無性に「日本語が読みたい!」という衝動に駆られる。私も読書の習慣がついたのはプロになってからですね。
荒川: 特にインターネットが普及していない時代は、日本から大量に本を持っていて読むのが楽しみでしたよね。おもしろい小説で映画化やドラマ化を期待して観に行くと、だいたい裏切られる(苦笑)。

田中: 本を読んでいると救われることも多いんです。たとえばシドニー五輪の後。リレーでメダルを獲ったものの、個人では結果を出せなくて、帰国してからの周囲の反応がガラリと変わりました。そんな中、米国に渡って読んだ、ある本の一節がとても印象に残っています。「人はいい時は誰でもついてくる。悪い時に一緒にいてくれる人を大切にしなさい」って。心が敏感な時ほど、そういった一言がダイレクトに届いてくる。言葉の力はすごいなと感じました。

二宮: トップレベルで普通の人では味わえないような経験を積むと、余計にそういった言葉が実感を伴うんでしょうね。気分転換の話題から、深い話になってきました。
杉山: もちろん気分転換で、普通の女の子と同じようにエステに行ったり、雅美ちゃんからも話が出たお酒でエネルギーをチャージすることも多いんですよ。

二宮: では、田中さんみたいに、ひとりで飲みに行くことも?
杉山: う〜ん。カウンターでひとりグラスを傾ける姿には憧れますが、そこまでオヤジ女子にはなれないかな(苦笑)。
一同: アハハハ。

(後編につづく)
※現在発売中の『InRed』7月号(宝島社)でも、今回の女子会の模様が紹介されています。こちらも合わせてお楽しみください。

<杉山愛(すぎやま・あい)プロフィール>
1975年7月5日、神奈川県出身。4歳でテニスを始め、92年に17歳でプロに転向。97年のジャパンオープンでツアー初優勝。99年の全米オープンでは混合ダブルスで優勝。さらに女子ダブルスでは2000年全米、03年全仏、ウィンブルドンを制した。00年にダブルスの世界ランク1位となり、03年にはシングルスで自己最高の8位に入る。ツアー通算成績はシングルス6勝、ダブルスは日本人最多の38勝。4大大会62連続出場はギネス認定の世界記録となっている。09年限りで現役を引退し、テニス解説、情報番組のコメンテーターなど多方面で活躍中。杉山愛ジュニア育成基金を立ち上げ、若手選手をサポートするプロジェクトも始めている。
>>オフィシャルサイト




<田中雅美(たなか・まさみ)プロフィール>
1979年1月5日、北海道出身。7歳で本格的に水泳を始め、94年日本選手権で100m、200m平泳ぎで2冠を達成。翌95年には100m平泳ぎで日本記録を更新する。96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネとオリンピックに3大会連続出場し、アトランタ大会で200m平泳ぎ5位、シドニー大会で100m平泳ぎ6位、200m平泳ぎ7位入賞。さらにシドニー大会では400mメドレーリレーで3位となり、念願のメダルを獲得した。アテネ大会でも200m平泳ぎで4位となり3大会連続入賞を記録。05年に現役を引退し、現在はスポーツコメンテーターとして活躍する一方、水泳の普及活動にも尽力している。
>>オフィシャルブログ




<荒川静香(あらかわ・しずか)プロフィール>
1981年12月29日、神奈川県出身。プリンスホテル所属。幼少時代から仙台で過ごす。5歳の時、遊びに行ったスケートに興味を持ち、ちびっこスケート教室に入る。小学校に入学してから本格的にフィギュアスケートに取り組み、小学3年生で既に3回転ジャンプをマスターし、天才少女と呼ばれた。94〜96年全日本ジュニア選手権3連覇。98年長野五輪出場。全日本選手権2連覇も果たす。03年ユニバーシアード冬季及びアジア大会優勝。04年ドルトムント世界選手権で日本人3人目のワールドチャンピオンに。06年トリノ五輪では自己ベストを更新し、アジア人初の金メダルを獲得。同年5月にプロ宣言をし、本人プロデュースのアイスショー「フレンズオンアイス」、また国内及び海外のアイスショーを中心に活動し、オリンピックキャスター、フィギュアスケート解説、テレビやイベント出演、コラム連載も行う。現在は、スケート連盟理事を務めるなどさまざまな分野にも精力的に挑戦している。
>>オフィシャルサイト

★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

日本初の本格そば焼酎「雲海」。時代とともに歩み続ける「雲海」は、厳選されたそばと九州山地の清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎の定番です。
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<対談協力>
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東京都渋谷区桜丘町2−9 カスヤビルB1
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営業時間:
昼 11:30〜15:00
夜(月〜金) 17:00〜23:30
夜(土・祝) 17:00〜22:30  
日曜定休

☆プレゼント☆
 杉山愛さん、田中雅美さん、荒川静香さんの連名による直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「女子会のサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は7月11日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回の女子会で楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:石田洋之)
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