ニューヨーク・ヤンキースの井川慶は10日、敵地でのデトロイト・タイガース戦で今季メジャー初登板を果たした。先発を任された井川だったが、ア・リーグ中地区最下位のタイガースに11安打と打ち込まれ、4回途中6失点。敗戦投手になった。試合はタイガースが6−5で勝利している。
 巡ってきたチャンスを生かすことはできなかった。
 ヤンキースはメジャー2年目のフィリップ・ヒューズが故障で離脱。イアン・ケネディも不調でマイナーへ降格した。投手陣のやりくりが厳しい中、「ストライクゾーンを攻めてくれれば」との期待を受けて、井川はメジャーに戻ってきた。

 結果からいえば、先発登板ではメジャー移籍後初の無四球だった。しかし、ストライクゾーンに投じたボールはあまりにも甘かった。初回、先頭のイバン・ロドリゲスに真ん中のボールを左中間に運ばれてピンチを招くと、その後、犠飛で1点を失う。

 3回は無死1塁の場面で再びロドリゲスにレフト線を破られ、追加点を許す。さらに走者を置いてマグリオ・オルドネス、ゲリー・シェフィールドにもタイムリーを浴びた。味方のエラーで足を引っ張られたとはいえ、左腕には痛い3失点だった。
 
 井川は4回もマウンドに上がったものの、もう相手を抑え込むレベルではなかった。連打にエラーも重なり、無死2、3塁の場面で、三たび、ロドリゲスに甘い初球をはじき返される。2点タイムリーとなって1−6。直後にジョー・ジラルディ監督は投手交代を告げた。

 台所が苦しいチーム事情だけに、井川が結果を残せば、そのままローテーションに定着する可能性もあった。しかし、この内容では、今後の登板は流動的だろう。生き残りへ厳しい状況となった。
 
 なお、4番・レフトで先発出場した打撃好調の松井秀喜は4打席ノーヒット。連続試合安打が17でストップした。