二宮: 現役時代、合宿などで飲む機会は?
陣内: もちろん。やはり、気分転換になりますし、飲んだ方がよく眠れるという選手もいましたからね。私は甘いお酒が好きでした。でも、このそば焼酎「雲海」もすごく飲みやすい。主人(金石昭人さん)も好きな味だと思います。

二宮: ご主人と一緒に飲むことは?
陣内: ありますよ。でも、自宅より、外出先で飲むことが多いですね。

二宮: 金石さんは元プロ野球選手ですから、飲み方も豪快でしょう?
陣内: 主人の飲み方はすごくきれいだと思います。量はすごく飲むんですけど、まったく変わらない。家に帰ると、コテンと寝るような感じです。

二宮: ご結婚されて13年目ですが、本当に仲がいい。ケンカすることはないんですか?
陣内: ケンカなんてしないですね。主人は私のことを認めてくれていますし、私も主人を認めています。リスペクトし合っているからでしょうね。

 良くなかった第一印象

二宮: それは羨ましい。出会いは陣内さんがスポーツキャスターに転身されてからでしたよね?
陣内: そうですね。プロ野球のキャンプの取材に行った時です。主人は当時、日本ハムに所属していました。グラウンドで、1人だけ練習していないのを見て「この人はすごいんだな」と思ったのを覚えています(笑)。

二宮: いいところに目をつけましたね(笑)。
陣内: アマチュアとプロの違いですかね。アマだったバドミントン時代はベテランも若手もなく、同じ練習を全員がこなしていました。だから余計に「なんだろ、この人は?」と思ってしまったんです(笑)。そこで、番組スタッフの方に「誰か取材したい選手はいる?」と聞かれて、「あそこでテーピングを巻いている人がいいです」とお願いしたんです。

二宮: どんな質問をされたんですか?
陣内: 単刀直入に「そんな練習でいいんですか?」と聞きました(笑)。すると主人は「開幕に合わせるのがプロなんだ」と。「おお。じゃあ、開幕に合わせてもらいましょうか」と頭の中で思っていました。その時はあまり、印象はよくなかったですね(笑)。

二宮: アハハハ。でも、一流のプロはそういうものですよね。
陣内: そうですね。日本ハムの本拠地がまだ東京ドームだったので、私はよくスコアブックをつける練習もかねて試合を見に行っていたんです。その時に、主人が抑え投手として出てきて、ポンと抑えて試合終了。それを見て「金石さん、すごい!」と印象がガラリと変わりました。それからは現場でわからないことがあると何でも「金石さん、これは何なんですか」と、全部聞いていました。主人は「本当に陣内は野球を知らないなぁ」と半ば呆れていたそうです(笑)。

 鍛えた体で勝負!

二宮: ひと昔前のスポーツニュースはほとんどがプロ野球に関することでした。知識を身に付けるのは大変だったでしょう?
陣内: しばらく、選手名鑑は手放せませんでしたね。名鑑を見ながら現場で取材するんですが、グラウンドでは選手はみんな帽子をかぶっているので、誰が誰だかわからない(笑)。とりあえず、選手に会うたび、「こんにちは!」とあいさつしていました。そしたら「さっきもあいさつしたよ」と(笑)。そんな時は「すいません。体育会って“何度会ってもあいさつしなさい”と言われていたので」と返していました。

二宮: なるほど、“体育会系キャスター”ですね(笑)。
陣内: あと、自分は体力を使って取材するしかないと考えていたんです。ですから、キャンプで選手と一緒にトレーニングもしました。当時の日本ハムには「プロ野球ニュース」でご一緒した加藤英司さんがコーチをしていて、「おい、陣内、オマエも一緒に明日から練習やれ」と誘ってくれたんです。ねえ、父ちゃん(金石さん)、一緒にトレーニングしたよね?
金石: やったなぁ。背が彼女と同じくらいの、大貝恭史という選手のユニホームを借りて(笑)。

二宮: いい時代でしたね。
金石: その頃は、違うスポーツの選手が一緒に練習したり、「誰でも入っていらっしゃい」という雰囲気でしたからね(笑)。
陣内: 野球の知識がない私でも、そうやって歓迎してもらえたことはすごくありがたかったですね。

二宮: 陣内さんはオリンピアンですから、ある程度、練習にもついていけたのでは?
陣内: ヤクルトの宮崎・西都キャンプで恒例の階段ダッシュに参加させてもらったんですが、一緒に走った選手よりも速くゴールしました(笑)。

二宮: アッハッハッハッ。それはすごい!
陣内: それを当時の野村克也監督が見てくれていて、気に入ってくれたんです。それからは「お前はぁ」とよく声をかけていただいて、すごく可愛がってもらいました。

二宮: スポーツキャスターとしての成功の裏には、そういう“突撃取材”があったんですね。
陣内: 知識がない分、体を張りました。東京ドームで、ファイティー(当時の日本ハムのマスコット)の中に入ったりもしましたから(笑)。

 イチロー選手の体は硬い!?

二宮: バドミントンでの経験が、キャスター業に生きたことはありましたか?
陣内: あります。秋山幸二さん(現ソフトバンク監督)が「外野では風が吹くから、その流れを見て計算する」とおっしゃっていたんです。それを聞いて、「ああ、バドミントンと同じだな」と思いました。実際、秋山さんのボールは全然違う方向に送球しているように見えるけど、相手のグローブにはきちんと収まるんです。

二宮: なるほど。風を計算に入れていたんですね。
陣内: キャンプで記者の人たちは毎日同じような練習を見て「長いな」と言っていました。でも私は「ああ、これってバドミントンに使えるかもしれない」「このトレーニングは使えるな」と、選手目線で見ていたので、ずっと、キャンプ地にいたいと思うくらい現場が楽しかったです。

二宮: 特に取材して、印象に残っているプロ野球選手は?
陣内: イチロー選手ですね。千葉で予定されていたロッテ対オリックス戦が雨で中止になって、急遽、インタビューしたことがあります。実際に会うまでは、すごく体が柔らかい選手というイメージでしたが、トレーニングを見て、「違う」と思いました。そこで、インタビューで「イチローさんって体硬いんですか?」と聞いたんです。

二宮: イチロー選手は何と?
陣内: 「えー!? なんでわかったんですか? 僕は言われたことがなかった」と驚いていました。イチロー選手とはそれから、いろいろな話をするようになりました。

二宮: アスリートならではの視点ですね。
陣内: 本人は股関節や足首など、野球に必要なものは柔らかいと言っていたんです。実は私もバドミントンに必要な部分だけは柔軟だったので、「でも、やっぱり体全体が柔らかいほうがいいよね」という話になった。現在の彼はものすごく体が柔らかくなっていますよね。選手とそういう細かい部分の話をするのもすごく楽しかったですね。

 夫婦揃って現場復帰!?

二宮: ところで将来、指導者になるお考えは?
陣内: 選手を育てたいと思う時はありますね。たとえば、強い選手の試合を見ていると、「こうしたら勝てるんじゃないか」と考えながら見ています。

二宮: ぜひ陣内さんが育てた選手を見てみたいと思います。
陣内: 私も選手を育ててみたいという思いはあります。でも、今の環境では難しいのが現状です。指導者は、選手にすべてを注がなければいけませんからね。ただ、私は主人のユニホーム姿の方が見たいんです(笑)。

二宮: 金石さんにも指導者として現場復帰してもらいたい。
金石: やりたい気持ちはあるんですけどねぇ。オファーがない(苦笑)。
陣内: ここが物足りないんですよ。いつも「自分からやりたいって言わないとできないよ!」と言っているんですが(笑)。

二宮: 野球とバドミントン、2人でいい選手を育ててくださいよ(笑)。
陣内: アハハハ。いつか、そういう機会が来ればいいですね(笑)。

(おわり)

<陣内貴美子(じんない・きみこ)プロフィール>
1964年3月12日、熊本県生まれ。ヨネックス所属。1981年からナショナルチーム入りし、日本を代表するバドミントン選手として活躍。92年、女子ダブルスでバルセロナ五輪に出場した。同年に引退後は、スポーツキャスターとして選手の立場に立った質の高い取材を続ける。その傍ら全国でのバドミントン講習会・講演会など競技の普及活動も積極的に行っている。夫は広島、日本ハムなどで活躍した金石昭人。

★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

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<対談協力>
かねいし
東京都港区西麻布4-11-28
麻布エンパイヤビル1F 
TEL:03-5464-7034
営業時間:
平日 18:00〜26:00(L.O.25:00)   
祭日 18:00〜23:00(L.O.22:00)
毎週日曜定休

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◎クイズ◎
 今回、陣内貴美子さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成・鈴木友多/写真・杉浦泰介)
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