新しいシーズンの到来を告げる「愛媛FC2014キックオフフェスタ」が1月26日(日)に行われた。
 開催場所は、今年もエミフルMASAKI(愛媛県伊予郡松前町)内のエミモール1階グリーンコート。寒い時節にもかかわらず、会場には約700人の愛媛FCサポーターやファン、支援者の方々が大勢詰めかけ、大変な賑わいとなった。
(写真:多数のサポーターで熱気あふれるキックオフフェスタ会場)
 その会場内にて、私はイベント開始1時間前から、「愛媛ゴール裏net」による活動をお手伝いさせていただいた。
 昨年10月、愛媛FC選手会やサポーターが宮城県名取市を訪れて行った、東日本大震災の行方不明者捜索のための側溝探索ボランティア活動は記憶にも新しい。活動を実施した名取市閖上地区では、未だ41名の行方が分かっていない。そんな中、名取市では復興計画による土地区画整理事業が認められ、閖上地区の地盤かさ上げ工事の着工が決定したようだ。

 今まで捜索の手が及んでいない側溝に、大勢のボランティアの手で行われてきた探索活動だが、このまま工事が進められると2度と行方不明者を探し出すことができなくなってしまう恐れがある。そこで、行方不明者のご家族が「行政による大規模捜索活動」を嘆願され、署名活動を行うことになったのだ。これまで、東日本大震災の復興ボランティア活動にも参加してきた愛媛ゴール裏netでも趣旨に賛同し、署名活動へ協力することになった。

 今回は提出期限が迫る中での活動のため、エミフルMASAKIや愛媛FC事務局のご理解も得て、イベント会場の周囲をお借りしつつ、署名を募ったのである。幸いにもイベントへ集った方々は皆、快く応じてくださり、短い時間ながら、たくさん(305名分)の署名を集めることができた(ご署名いただいた皆さん、ご協力いただき、ありがとうございました)。
 
 この日のキックオフフェスタの開始時刻は午後3時。イベント開始5分前、私は署名活動から一旦離れ、太鼓を担いでスタンバイ。司会者の呼び込みで、イベントが行われるステージへと駆け上がった。
 
 今年は事務局によるイベント前の催しものがなかったため、私たち愛媛FCサポーターズクラブ「ラランジャ・トルシーダ」による応援レクチャーを、キックオフフェスタでは4年ぶりに行うことになったのである。

 とはいえ、与えられた時間は3分ほど。それを考慮し、今回は会場の皆さんと一緒に「エヒーメ! エフシー!(タタンタ・タン・タン)」の基本コールを全力で行うことにした。
 まずは挨拶で、会場に詰めかけたサポーターを煽り、いざ愛媛FCコールへ。
「エヒーメ! エフシー!!(ドドンド・ドン・ドン)〜」
 太鼓の振動とともに、新年最初のチャントが会場内に響き渡る! 今年1発目ということで、おそらくは声も出にくい状態だろうと思うのだが、会場の皆さんも一生懸命、呼応してくださった。

 すると、徐々に盛り上がり、最後は建物が揺れるくらいに感じる大合唱となったのである。イベント前の、ほんのひと時ではあったが、会場に集まった皆さんとの一体感を感じられた。新シーズンもクラブの応援や支援に向けて頑張っていく気持ちを確認でき、有意義な時間を過ごせた。
 
 時刻は午後3時をまわり、キックオフフェスタがスタート! 今年もレディースチームから全選手と監督・スタッフが登場。挨拶やインタビューなどが行われた。その後、トップチームの新入団選手を含めた全選手と監督・スタッフが登場し、会場内も大いに沸いた。

 イベントが進行していく中、舞台上では石丸清隆監督が今年のチームスローガンを発表。そのスローガンは、「一心」。クラブ全体が心をひとつにして、全力で戦っていくことを表現したスローガンである。私たちサポーターも心をひとつにして、このシーズンを戦い抜きたいものだ。

 後日、クラブからは、2014シーズンのキャプテンと副キャプテンも発表された。キャプテンには昨シーズンから引き続いてMF吉村圭司選手。副キャプテンは、MF村上巧選手と、新加入のFW西田剛選手が務めることになった。西田選手は、とても明るい性格でチームの雰囲気を盛り上げてくれる存在だ。もちろん、得点力UPを牽引してくれるような実戦でのプレーにも期待している。
 

 昨年、副キャプテンを務め、シーズン終了後、惜しまれつつも愛媛FCを退団することになった赤井秀一選手。現役にこだわりをみせていた彼の去就が気になっていたが、2月にFC今治への入団が決まり、一安心である。

  FC今治では、トップチームの所属選手としてプレーを続けるとともに、下部組織における指導者の仕事にも取り組んでいく模様だ。2月11日(火)に行われた「愛媛FCユース対FC今治」の練習試合にも早速、23番の背番号をつけ、90分間のフル出場。その巧みな足技を駆使し、ゴールやアシスト、また鋭いパスなどで早くも存在感をみせていた。
(写真:雪も降り、極寒の中で躍動する選手たち)

 今年も愛媛県で彼のプレーを見ることができ、それを応援できることを本当にうれしく感じる。愛媛に初めて来た時のように、再び青色のユニフォームへ袖を通すことになった赤井選手。現状、彼にとっては充分な環境とは言えないかもしれないが、チームの中で挫けず、粘り強く頑張ってもらいたい。

 
松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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