サッカーの東アジア選手権が2月17日から24日まで中国の重慶で開催される。日本は17日に北朝鮮、20日に中国、23日に韓国と戦う。南アフリカW杯アジア地区3次予選の残り5試合に向けて、結果と内容が求められる。
 この大会は2003年に始まり、過去2回で日本はいずれも2位。第3回の今大会で初優勝を目指す。同時に、岡田武史監督が就任して初のタイトルがかかる。

 大会初優勝を狙う上で鍵を握るのが初戦の北朝鮮戦だろう。FIFAランキングこそ出場4カ国中最低の127位だが、FWチョン・テセ(川崎)、MFリャン・ヨンギ(仙台)ら在日組を中心としたチームは侮れない。先の南アW杯3次予選初戦でヨルダンを1−0で破り、波に乗る。

 2005年の前回大会、日本は初戦で北朝鮮に0−1で敗れ、スタートにつまずいた。続く中国戦は2−2で引き分け、優勝を逃した。岡田体制初のアウェイで慣れない部分もあるだろうが、今大会では初戦できっちり勝ち点3を獲り、好スタートを切りたい。

 また、前線とセンターバックのポジション争いに注目が集まる。
 前線ではFW高原直泰(浦和)、FW大久保嘉人(神戸)、FW巻誠一郎(千葉)の主力3人が離脱。これまで出場機会の少なかったFW播戸竜二(G大阪)や追加召集のFW田代有三(鹿島)らにチャンスが回ってきた。

 これまでの3試合でFWのゴールは1点。2月6日の南アW杯3次予選初戦タイ戦では4点のうち、流れの中での得点は1点にとどまった。FWだけの責任ではないが、ゴール前の攻めに窮した。
 前回大会の中国戦では、終盤にFW田中達也(浦和)が目の覚めるようなミドルシュートを決めて、株を上げた。今大会で結果を残したFWが、岡田監督の評価を高めるのは間違いない。

 センターバックでは、過去3試合で先発したDF阿部勇樹(浦和)が左内転筋の故障で不参加となった。加えて、DF坪井慶介(浦和)が代表引退を表明。DF水本裕貴(千葉)とDF岩政大樹(鹿島)の2人にとっては、経験豊富なDF中澤佑二(横浜)の相棒として名乗りをあげる絶好の機会だ。水本は俊足を生かした1対1のマーク、岩政は空中戦の強さとそれぞれ持ち味を発揮して、ポジションを争う。

 今大会のスケジュールは中2日で3試合。シーズン開幕前でまだコンディションが万全でない選手にとっては厳しい日程だが、3試合を有効に使えば、チームの熟成を図れる。
 アウェイに乗り込む南アW杯3次予選第2戦バーレーン戦では時差や移動の関係から、MF中村俊輔(セルティック)ら欧州組が召集される可能性が高い。その前に今大会で可能な限り、戦力の底上がりをはかっておきたいところだ。