「リオの風」は、株式会社アライヴンとのタイアップコーナーです。来年のリオデジャネイロ五輪、パラリンピックを目指すアスリートを毎回招き、アライヴンの大井康之代表との対談を行っています。各競技の魅力や、アライヴンが取り扱うインヴェル製品を使ってみての感想、大舞台にかける思いまで、たっぷりと伺います。
 今回は第1回ユース五輪のトライアスロン女子で金メダルを獲得、東京五輪・パラリンピック招致では一昨年のIOC総会で最終プレゼンテーションに登壇した佐藤優香選手の登場です。


 練習は1日5〜8時間

大井: 経営者やビジネスマンの間ではトライアスロンに挑戦する人が多い。僕もやってみたいと思ったことがあります。トライアスロンの魅力は何でしょう。
佐藤: 3種目をそれぞれに楽しめるところです。レースは苦しくて大変なこともありますが、トライアスロンをやると健康になると言われます。

大井: 小学3年からトライアスロンを始めたそうですね。きっかけは?
佐藤: 母の勧めでトライアスロンの大会に出たんです。母は厳しくてタイムが悪いと怒られる。当時は五輪を目指す思いよりも、母に怒られないように、という気持ちの方が強かったですね(笑)。 

大井: お母さんもトライアスロンをやっていたんですか。
佐藤: いえ。でも、気が強いんです(笑)。練習も中学までは母がランとバイクの練習メニューをつくっていました。

大井: レースは年に何回くらい出るのでしょう。
佐藤: 15レースくらいに出ますね。10カ国以上を転戦しています。海外に行く時は、だいたい5日前の現地入りです。飛行機の中で、うまく時差調整をして臨みます。

大井: 3種目をこなすとなると練習は大変でしょう?
佐藤: 練習は1日で5〜8時間くらいします。多い時でスイムが2時間、バイクが4時間、ランが2時間ですね。

大井: ほぼ1日がかりですね。疲労も溜まるのでは?
佐藤: 疲れをしっかりとるために、お風呂に長く浸かって、寝る前はストレッチを念入りにしています。

大井: 疲れをリセットするにはインヴェル製品がピッタリです。遠赤外線の保温パワーが体の働きを整え、スッキリ気分爽快にしてくれます。
佐藤: 先日からアイマスクとソックスを寝る時に使っています。寝ている間にリラックスできるとうれしいですね。

大井: 飛行機移動が多いなら、インヴェルのリチャージスリムはおすすめです。座席に敷いていれば、機内でも心地よく眠れるでしょう。
佐藤: 車の座席にも敷けそうですね。移動は多いので助かります。

 2020東京決定の舞台裏

大井: 佐藤さんといえば、思い出すのが東京五輪・パラリンピック開催が決定したIOC総会。最終プレゼンテーションで壇上に上がりました。現地はどんな雰囲気でしたか。
佐藤: 正直、私がこんなところにいていいのかなと感じましたね。隣が安倍晋三首相と猪瀬直樹都知事(当時)だったので、レースよりも緊張しました(笑)。

大井: プレゼンに臨むためのリハーサルは?
佐藤: 1時間、個人レッスンで、きれいな入退場の仕方と手を振る練習をひたすら繰り返しましたね。顔は微笑みを絶やさず、手は胸の高さで振るように指導を受けました。「とにかく笑って」と言われましたね。

大井: 五輪招致のプレゼンに出て、しかも開催決定の場に立ち合うなんて、なかなかできない体験ですね。
佐藤: はい。でも、プレゼン後は翌週にロンドンでレースがあったので、ホテルのジムで練習をしていて会場にはいなかったんです。発表の瞬間はホテルで東京の招致スタッフと一緒にテレビを見ていました。「TOKYO」と呼ばれた時は皆、大喜びして、うれし涙を流していましたね。

大井: 日本で見ていても感激しましたから、現地にいると感情があふれ出てしまうでしょうね。
佐藤: 私自身、東京は絶対に出たいし、出なきゃいけない大会になりました。皆さんの前で最高の結果を残したいと強く思っています。

大井: 競技をするにあたって体は大きい方が有利ですか。
佐藤: 大きい方がいいですね。スイムでは選手が一斉にスタートして少しでもいいコースをとろうと水中でバトルがあるんです。体が小さいと当たり負けしたり、沈められたりする(苦笑)。だから、私の場合は、それをいかに避けるかが重要になります。

大井: そんなに激しい競技とは知らなかった。海で泳ぐと波の影響も受けるでしょう?
佐藤: そうですね。でも海は浮くのでまだ泳ぎやすい。大変なのは湖。どんどん体が沈んでしまう。しかも場所によっては藻が浮いていたりして視界が悪いので、前も見えないんです(苦笑)。水も汚いので飲むとおなかを壊します……。

大井: 心身ともに、文字通りのアイアンマンになることが求められるわけですね(苦笑)。
佐藤: メンタルの強さは大切です。レース中に我慢
するためには、日頃からの心掛けが大事。食事も甘いものは我慢していますね。生活面から我慢に慣れておくことが、勝負どころの苦しい場面で生きると思っています。

大井: 疲れると甘いものも食べたくなることがあるでしょう?
佐藤: でも、食べ過ぎてしまうと脂肪に変わってランのマイナスになる。食事はたくさん食べますが、間食の誘惑に負けないようにしています(笑)。

 課題はラン強化

大井: 今後、世界で勝つための課題は何でしょうか。
佐藤: トップクラスのレースでは最後のランが勝負になります。最初のスイムで出遅れないことも大事ですが、ランを強化していきたいですね。

――そのために取り組んでいるトレーニングは?
佐藤: チューブをおなかに巻き、コーチが逆方向に引っ張るのに逆らって走る練習をしています。これをやることで走る際の上下動が少なくなり、体幹も鍛えられる。前に進む力を高めることを重視しています。

――バイクもランを優位にする上で激しい駆け引きが繰り広げられます。走力のあるライバルは引き離さないといけないですし、かといって飛ばし過ぎると体力を消耗する。この感覚はどのように磨いていくのでしょうか。
佐藤: レースを重ねる中で経験を積むしかないですね。ランが得意な選手とバイクで同じ集団内になってしまうと最後に負けてしまう。だから、バイクの前にスイムでいかに引き離すかも大切になってくるんです。こうした目に見えない戦いがあるのもトライアスロンのおもしろい部分です。

大井: バイクは先頭だといいけど、風の抵抗も受けるとキツイでしょう?
佐藤: だから集団になった時はお互いに選手が協調して、ローテーションで先頭を交代しながらペースをつくって走るんです。これを守らないと他の選手から怒られて、集団から離されてしまいます。私も「サトウ!」と注意されたことがありますね。

大井: 集団で走らず、リスクを覚悟でスパートをかけても構わない?
佐藤: 体力は使いますが、そういう勝負の仕方もあります。ぶっちぎって独走できればランで差をつけられますからね。ただ、女子の場合は大きく引き離すのは難しいです。

大井: レース時間はどのくらいになりますか。
佐藤: 約2時間です。スイムが20分、バイクが1時間、ランが30分ちょっとになります。

――10キロを30分強となると、陸上のトップクラス並みの走りが求められます。トライアスロンではスイムからバイク、バイクからランへのトランジットもありますから、ここでいかにタイムを短縮できるかもカギを握りますね。
佐藤: トランジットは大事なので、自転車の乗り降りや、ヘルメットの着脱を素早くするための練習もしています。靴も事前にベロを出した状態にして、すぐに履けるように準備しています。靴ひもも伸び縮みするゴムにしているんです。

 日本初の五輪メダルを

大井: それはおもしろい。トライアスロンを観る楽しみが増えました。東京の前にはリオデジャネイロ五輪があります。ズバリ目標は?
佐藤: まだトライアスロンでは五輪の日本人メダリストがいないので、初のメダル獲得です。もちろん、その前には出場権を確保しなくてはいけません。今年から選考レースがスタートするので、基準をクリアして早く権利を手にしたいです。

――日本のトライアスロン女子は北京五輪5位入賞の井出樹里選手や、昨年の世界シリーズ横浜大会で日本人初の2位に入った上田藍選手など層が厚い。日本の出場3枠(予定)の争いはし烈になることが予想されます。その意味では、昨年の日本選手権を制したことは大きな自信になったのでは?
佐藤: やっと日本で勝てたことはうれしかったですね。これをきっかけにステップアップしていきたいです。

大井: ブラジルでレースをしたことは?
佐藤: まだないので楽しみにしています。ブラジルは暑いでしょうか。

大井: 五輪中の8月は冬になるので、涼しいはずです。レースにはもってこいの時期かもしれませんね。メダルを獲った暁には記者会見やテレビ出演もあるでしょうからメイクも必要になりますね。その時はぜひ我々が取り扱っている「LIVEAGE」を使ってみてください。美肌レベルを高める化粧品です。
佐藤: ありがとうございます。練習やレース後は肌がカサカサになるので、ケアするものがあると助かります。本当に、そうなるといいですね(笑)。

(おわり)

佐藤優香(さとう・ゆか)プロフィール>
1992年1月18日、千葉県生まれ。トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ所属。小学3年からトライアスロンを始め、2007年の日本ジュニア優勝。翌08年には16歳ながら日本選手権で5位入賞を果たす。09年にはITU世界選手権横浜大会のユース部門で優勝。10年にはシンガポールでの第1回ユース五輪で全競技を通じて最初の金メダリストに輝く。13年9月のIOC総会では2020年五輪・パラリンピック招致団の一員として東京の最終プレゼンテーションに登壇。昨年の日本選手権では初優勝。来年のリオデジャネイロ五輪、5年後の東京五輪での活躍が期待されている。

(写真/金澤智康、進行役・構成/石田洋之)