新生K-1、4度目の大会が近付いてきた。『K-1 WORLD GP 2015 〜-70?初代王座決定トーナメント〜』は、7月4日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われる。
 これまでの3大会では-65kg、-60kg、-55kgの初代チャンピオンが決定した。
 -65?級=ゲーオ・フェアテックス(タイ)
 -60?級=卜部功也(日本/チームドラゴン)
 -55?級=武尊(日本/チームドラゴン)
(写真:-70?初代王座決定トーナメントの公式ポスター (C)M-1 Sports Media)
 そして7月の大会では、いよいよ-70?級最強を決するトーナメントが繰り広げられる。

 トーナメントの組み合わせは、既に決定しており、1回戦は次の4カードだ。
▼山崎陽一(日本/シルバーウルフ=31歳、33戦20勝(13KO)10敗3分)vs.マラット・グレゴリアン(アルメニア=24歳、47戦39勝(21KO)6敗1分1無効試合)
▼牧平圭太(日本/HALEO TOP TEAM=26歳、第3代Krush-67kg級王者、25戦15勝(5KO)8敗2分)vs.ディラン・サルバドール(フランス=22歳、WAKO-PRO世界ウェルター級王者、53戦44勝(18KO)8敗1分)
▼中島弘貴(日本/バンゲリングベイ・スピリット=26歳、第3代Krush-70kg級王者、30戦20勝(13KO)10敗)vs.サニー・ダルベック(スウェーデン=24歳、WMC&IFMA北欧ウェルター級王者、42戦34勝(20KO)8敗)
▼渡部太基(日本/Golden Globe=27歳、WPMF日本ウェルター級王者、38戦20勝(13KO)16敗2分)vs. ジョーダン・ピケオー(オランダ領キュラソー島=24歳、WMTAベネルクス70kg級王者、19戦14勝(3KO)4敗1分)

 加えてリザーブファイトも1試合組まれている。
▼秋元和也(日本&台湾/シルバーウルフ=24歳、8戦4勝(3KO)3敗1分)vs. セルゲイ・アダムチャック(ウクライナ=25歳、ISKAヨーロッパ・ウェルター級王者、30戦25勝(11KO)5敗)

 試合形式は1回戦から決勝まで、いずれも3分3ラウンドで行われ、それで決着がつかない場合は延長1ラウンドが設けられている。

 さて、-70kg級は、ボクシングで言うところの“黄金のミドル級”である。2000年代には『K-1 WORLD MAX』が華々しく開催され、そのリングの主役を魔裟斗が張っていた。アルバート・クラウス(オランダ)、ブアカーオ・ポー・プラムック(タイ)、アンディ・サワー(オランダ)らと激闘を展開し、観る者を熱くさせてくれた。

 この歴史ある階級における初代王者決定トーナメントには独特の緊張感が漂う。このクラスの闘いには軽量級にはない“一撃必倒”の迫力が醸されるからだ。

 期待すべきは日本人選手が活躍すること以上に、ファンの心を揺さぶる熱き好ファイト。私たちは魔裟斗vs.ブアカーオ、あるいは魔裟斗vs.サワー、あるいは魔裟斗vs.小比類巻貴之の死闘を、いまも脳裏に焼きつけている。それを超える激闘が、今回のトーナメントで繰り広げられたなら、さらに夢は広がる。

 下馬評では、V候補はグレゴリアンとサルバドール。過去の闘い模様を参考にするなら、その予想には十分に納得がいく。しかし、ワンナイト・トーナメントでは何が起こっても不思議ではない。リザーブファイトを闘う選手も含めて、思わぬ伏兵がベルトをかっさらう可能性もあろう。夏の代々木が熱く燃え上がる予感あり。

 6月13日には、東京スカイツリータウン・ソラマチイーストヤード5F、J:COM Wonder Studioにおいて、『7.4代々木決戦・大決起集会』が開催される。このイベントには、同大会に出場する主要ファイターをはじめ、K-1公式サポーター関根勤、K-1プロデューサー前田憲作らも登場予定。時間は14時〜16時で観覧無料。
>>詳しくはK-1公式サイトを!

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近藤隆夫(こんどう・たかお)
1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実〜すべては敬愛するエリオのために〜』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー〜小林繁物語〜』(竹書房)『キミはもっと速く走れる!』『ジャッキー・ロビンソン 〜人種差別をのりこえたメジャーリーガー〜』『キミも速く走れる!―ヒミツの特訓』(いずれも汐文社)ほか多数。最新刊は『忘れ難きボクシング名勝負100 昭和編』(日刊スポーツグラフ)。
連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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