日本プロ野球組織(NPB)は28日、東京ヤクルトスワローズのダニエル・リオス投手に対し、ドーピング違反のため1年間の出場停止処分を下した。禁止薬物の筋肉増強剤に含まれるハイドロキシスタノゾロールが検出された。薬物違反でNPBが処分を下すのは、昨年8月のリック・ガトームソン(福岡ソフトバンク)、今年5月のルイス・ゴンザレス(巨人を解雇)に続いて3例目。ヤクルトはこの結果を受け、リオスの契約解除を発表した。
 5月21日の埼玉西武戦後に行ったドーピング検査でリオスから陽性の反応が出た。6月21日にあらためて別の検体を検査したが、結果が同じだったため、アンチ・ドーピング委員会が処分を決定した。

 NPBによるとリオスは昨年オフ、背中の治療のため注射を行い、その中に禁止薬物が含まれていたことを認めているという。ただし、今年になってからは注射を受けておらず、規則にしたがって申告した鎮痛剤、ビタミン剤などの他に服用した薬物はないと説明している。

 リオスはスペイン出身の右腕。97年にヤンキースでメジャーリーグデビューを果たし、メキシコリーグなどの経験を経て、02年からは韓国でプレーした。韓国では6年連続の2ケタ勝利をあげ、昨年は22勝5敗、防御率2.07の好成績でMVPに輝いた。ヤクルトに移籍した今季は11試合に登板して、2勝7敗、防御率5.46。先発ローテーションの一角として期待されていたが調子が上がらず、今月に入って2軍落ちしていた。