日本プロ野球機構(NPB)は26日、巨人のルイス・ゴンザレス内野手に対し、ドーピング違反のため、来年5月25日まで1年間の出場停止処分を下したことを発表した。検出された薬物はアンフェタミン、クロベンゾレックス、パラヒドロキシアンフェタミンの3種類。いずれも興奮剤として禁止薬物に指定されている。巨人は同選手を解雇する方針を示した。
 薬物は4月末に検査を行った際に検出された。NPBは巨人を通じて本人に陽性反応が出たことを通達したが、本人は薬物摂取を否定。そこで別の検体を検査したところ、同じ結果が出たため、今回の処分に至った。本人はメジャーリーグでプレーしていた03、04年頃に興奮剤を摂取したことは認めているという。

 ゴンザレスは07年に巨人に入団。1年目はケガで25試合の出場にとどまったものの、4割近い得点圏打率で勝負強さを発揮した。2年目となる今季は、アレックス・ラミレス、セス・グライシンガーなど外国人選手の加入で枠が埋まり、開幕は2軍スタートだった。しかし、イ・スンヨプの不調で代わって1軍に上がると打率.307、2本塁打、17打点の成績を残していた。現在は脇腹を痛め、23日に出場選手登録を抹消されている。

 NPBが薬物違反で処分を下すのは、昨年8月のリック・ガトームソン投手(福岡ソフトバンク)に続き2人目。ガトームソンのケースでは、発毛剤に含まれていたフィナステリドが禁止薬物にあたるとして、本人に20日間の出場停止と球団に750万円の罰金が課せられた。今回は管理上の落ち度はなかったとして巨人球団への処分はない。