◇7月13日 平塚競技場 4,738人 
 湘南ベルマーレ 4−1 愛媛FC
【得点】
[湘南] 阿部(13分)、坂本(30分)、アジエル(53分)、石原(80分)
[愛媛] 内村(26分)

 約2カ月ぶりの連敗。そして4月29日のセレッソ大阪戦以来の4失点……。第2クールに入ってみられなかった悪い部分がすべて出てしまった敗戦だった。

 愛媛は立ち上がりから動きに精彩を欠き、ビルドアップの部分で簡単にボールを失う。前半12分、湘南MF田村雄三にクリアボールを拾われ、強烈なミドルシュート。キーパーはパンチングでなんとか防いだものの、そこへ駆け込んだFW阿部吉朗にダイビングヘッドで押し込まれた。愛媛はあっさりと先制を許す。

 しかし、過去4戦2勝2分と負けなしで相性のいい平塚の地。前半26分、愛媛はセットプレーから同点に追いつく。キッカーの金守智哉の出したボールをMF赤井秀一が大きく蹴り出すと、前線で詰めていたFW内村圭宏が頭であわせる。これがゴールネットを揺らした。その後も愛媛はボールをつなぎ、テンポのある攻撃をみせる。

 だが、主導権を握った時間はそう長くなかった。わずか4分後、中央でボールを奪われると、MFアジエルのスルーパスに愛媛のDFラインが対応しきれない。抜け出したMF坂本紘司に自らの300試合出場を祝うゴールを決められ、勝ち越し点を与えてしまう。

「前半はまだサイドを起点にしていたが、後半はサイドも消されてしまった。これではサッカーにならない」
 望月一仁監督が試合後に嘆いたように、後半に入っても愛媛はほとんど見せ場をつくれない。逆に後半8分には、アジエルが持ち込んだボールを湘南FW石原直樹がくさびに入ってキープ。そのまま前線へ飛び出したアジエルに石原がパスを戻すと、DFの寄せも間に合わず、そのままゴールに流し込まれた。

 さらには後半35分にも、FW石原直樹に最終ラインを破られてダメ押しの4点目。愛媛はケガから復帰したボランチの青野大介らを投入したが、流れを変えられないまま90分間を終えた。

「体をひっかける。(ボールを)奪う。そしてチャンスをつくる。そういった泥臭いプレーを目指していた」
 湘南・菅野将晃監督は試合後、狙い通りの戦いができたことを満足そうに振り返った。それは愛媛の目指していた戦い方でもあったはずだ。

 敗れた愛媛は「ディフェンスが後ろから(ボールを)狙えるようなコーチングをしてほしかった」と中盤の選手が漏らせば、DFのひとりは「後ろからするともう少しボールを収めてくれないと……」と不満を述べた。イレブンの意図がピッチ上でかみあわなければ、結果を出すのは難しい。

「攻撃も守備も、もう1回、自分たちのやることをやるしかない」(望月監督)
 次節(19日)は最下位のロアッソ熊本戦。ここでもたついていては開幕前に目標に掲げていた「6位」は夢のまた夢だ。

<両チームメンバー>
愛媛FC
GK 21 多田大介
DF 28 高杉亮太
    3 金守智哉
    4 南祐三   
   14 三上卓哉
MF 16 赤井秀一 → 27 青野大介(73分)
   17 キムテヨン   
   22 横谷繁
   18 江後賢一   
FW  8 内村圭宏 → 9 三木良太(56分)
   11 田中俊也 → 19 笹垣亮介(76分)    

湘南ベルマーレ
GK 25 金永基
DF  5 臼井幸平
   19 山口貴弘
    2 斉藤俊秀
   21 鈴木伸貴 → 3 ジャーン(83分)
MF 10 アジエル
    6 田村雄三 
    8 坂本紘司
   24 加藤望 → 26 永田亮太(71分)
FW 11 石原直樹
   18 阿部吉朗 → 7 リンコン(78分)

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<DF津田、甲府へ復帰>

 愛媛FCはDF津田琢磨選手がJ2のヴァンフォーレ甲府へ完全移籍すると発表した。津田は昨オフ、甲府から戦力外通告を受け、愛媛に移籍。ここまでセンターバックのポジションで13試合に出場していた。ところがJ2に降格した古巣の甲府が下位に低迷。一度はクビになったクラブに請われての復帰となった。愛媛にとっては、近いところで順位を争う相手だけに、痛い戦力供出と言えるだろう。


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