メジャーリーグの第79回オールスターゲームが16日、ニューヨークのヤンキースタジアムで行われた。試合は3−3のまま、延長戦に突入し、15回、アメリカンリーグがマイケル・ヤング(レンジャーズ)の犠牲フライでサヨナラ勝ちを収めた。ア・リーグから「1番・センター」で先発出場したイチロー(マリナーズ)は3打数1安打、ナショナルリーグから「8番・センター」でスタメン入りした福留孝介(カブス)は2打数ノーヒットだった。
 2年連続のMVPはならなかったが、8年連続出場の貫禄があった。クリーンヒットとレーザービーム。現ヤンキースタジアムのラストイヤーを飾る球宴に詰めかけたニューヨーカーを背番号51は大いに沸かせた。

 初回、先頭打者としてバッターボックスに入ったイチローは、ナ・リーグ先発ベン・シーツ(ブルワーズ)の2球目を叩く。高めのボールに詰まらされ、結果はライトフライに倒れた。
 続く3回の第2打席はカウント0−2からの3球目を打ち返す。膝元に曲がる変化球にバットを合わせると、打球は糸を引くようにライトへ。イチローにとっては2年連続となる球宴のヒットが生まれた。

 さらに直後の4回、イチローは守備でみせた。ライトフェンスを直撃したアルバート・プホルス(カージナルス)の打球を素早く処理。まったく無駄な動作をみせず、振り向きざまにセカンドへ返球する。低く力強い送球がランナーより早くセカンドベース上に到達した。打者走者のプホルスはもちろんタッチアウト。6回の第3打席は空振り三振に倒れたものの、自慢の強肩を見るものに強く印象づけた。

 一方、ルーキーで初出場を果たした福留は存在感を示せなかった。3回の第1打席では左腕のジョー・ソーンダースにカーブを打たされてファーストゴロ。5回の第2打席ではアービン・サンタナ(エンゼルス)のチェンジアップに翻弄され、バットが空を切った。

 試合はオールスター史上、稀に見る大熱戦となる。5回、ナ・リーグがマッド・ホリデーのソロ本塁打で先制すると、6回にも1点を追加する。ところがア・リーグは7回、J.D.ドルー(レッドソックス)の2ランで試合を振り出しに戻す。その後、両チームが1点ずつを取り合い、試合は6年ぶりの延長戦に突入した。

 決着がついたのは、オールスター史上最長タイのイニングとなった15回だった。ア・リーグは1死満塁のチャンスをつくると、マイケル・ヤング(レンジャーズ)がライトへフライを打ち上げる。外野からの懸命の返球も及ばず、3塁走者がホームイン。サヨナラ犠飛となって、オールスター史上最長となる4時間50分のゲームにピリオドが打たれた。ア・リーグはこれで引き分けを挟み、オールスターゲーム11連勝。ア・リーグの優勝チームが今秋のワールドシリーズの開幕を本拠地で迎えることが決まった。

 ア・リーグ、球宴は11連勝
ナショナル・リーグ  3 = 000011010 00000
アメリカン・リーグ   4 = 000000210 00001× (延長15回)
[ア] リー(インディアンス)−ソンダース(エンゼルス)−ハラデー(ブルージェイズ)−サンタナ(エンゼルス)−デュシェラー(アスレチックス)−ネーサン(ツインズ)−パペルボン(レッドソックス)−F・ロドリゲス(エンゼルス)−リベラ(ヤンキース)−ソリア(ロイヤルズ)−シェリル(オリオールズ)−○カズミアー(レイズ)
[ナ] シーツ(ブルワーズ)−ザンブラノ(カブス)−ハレン(ダイヤモンドバックス)−ハメルズ(フィリーズ)−ボルケス(レッズ)−ウィルソン(ジャイアンツ)−ワグナー(メッツ)−デンプスター(カブス)−クック(ロッキーズ)−マーモル(カブス)−ウェブ(ダイヤモンドバックス)−●リッジ(フィリーズ)
本塁打  [ア] ドルー(レッドソックス)2ラン
       [ナ] ホリデー(ロッキーズ)ソロ

【イチロー成績】
 3打数1安打
第1打席 右飛
第2打席 右前安打
第3打席 空振三振

【福留成績】
 2打数0安打
第1打席 一ゴロ
第2打席 空振三振