大谷翔平、“ゴジラ超え”はプレーオフで

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 4月21日(現地時間)、MLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が今季5号2ランを放ちました。これでメジャー通算176本塁打となり、松井秀喜さんの日本人最多本塁打記録を塗り替えました(29日時点で178本塁打)。6シーズン在籍したチームを離れ、環境が変わり、いろいろな問題があった中でも高いコンタクト率をキープしているように感じます。

 

 今や彼は世界のスーパースターです。様々なことで注目され、得点圏で打てなければ、そこを叩かれてしまう存在。ただアベレージは高く(打率3割4分1厘)、ヒット数も47本をマークしています。直球に対し、若干振り遅れている印象を受けますが、そこをアジャストしていければもっとホームラン数も増えていくでしょう。アメリカはチーム数も多く、対戦数の少ないピッチャーにもアジャストしていかないといけない難しさがありますが、本人はこの環境下でも客観的に物事を見られているようなので、心配はなさそうです。

 

 大谷翔平と松井秀喜--。2人はバットでボールを潰すようなスイングで遠くに飛ばせる強打者という共通点があります。同じ左バッターであるため何かと比較されるものの、松井さんはプルヒッターで、大谷選手は広角に打てるとタイプは異なる。シーズン日本人最多本塁打、同通算本塁打など松井さんが持つ記録を塗り替えた大谷選手ですが、MLBでの優勝経験どころかポストシーズンのプレー経験はありません。

 

 一方の松井さんはニューヨーク・ヤンキースという名門球団でクラッチヒッターぶりを遺憾なく発揮し、ポストシーズンで活躍しました。10本塁打、39打点をマークし、2009年にはワールドシリーズMVPを獲得しました。

 

 大谷選手はポストシーズンでプレーすることを望んでのドジャース移籍です。レギュラーシーズンとは違った緊張感や熱量がプレーオフにはあります。大谷選手がプレーオフで結果を残し、チームに勝利をもたらした時、「松井を超えた」と言っていいのではないでしょうか。

 

好調支えるホップするフォーシーム

 その大谷選手が40打席ぶりにホームランを放った後、クリケットのバットを用いて練習をしたという記事が出ていました。クリケットのバットで打つことによって面でボールをとらえる練習になります。気分転換的な要素も多分にあるのでしょうが、トップの位置からバットがインサイドアウトに出るといういいイメージトレーニングになっているような気がします。

 

 今季MLBにシカゴ・カブスに移籍した今永昇太投手が4勝0敗、防御率も0点台と好調です。本人のコメントを見聞きする限り、浮ついた様子はなく、あくまで謙虚な姿勢が目立ちます。この好成績が続けばもちろんうれしいですが、そう甘い世界ではない。ローテーションを守る中でメジャーの厳しさを味わう日も来るでしょう。

 

 ここまでの今永投手の好調を支えているのがフォーシームです。身長178cmとメジャーでは小柄な部類に入りますが、リリースポイントが低いことで、バッターからすれば水平な位置からボールが向かってくるように見える。加えて回転数が多いことで球がホップしていることが空振りを取れている理由です。

 

 さて4月も終わり、世間はゴールデンウイークの真っ只中ですが、セガサミー野球部は5月からJABAベーブルース杯、都市対抗野球大会東京都二次予選がスタートします。ここまで主力にケガなどもあって、4月のオープン戦はなかなか結果が出ませんでした。そのケガ人や出遅れたピッチャー陣も徐々にコンディションを上げてきています。

 

 5月1日に開幕するベーブルース杯は信濃硬式野球クラブ、王子、日本製鉄東海REXと同じBブロックに入りました。我々の初戦は5月2日。20日には都市対抗野球の東京都二次予選がスタートしますので、そこに勢いづくような戦いをしたいですね。皆様、ぜひとも応援よろしくお願いします!

 

<このコーナーは毎月1日更新です>

 

西田真二(にしだ・しんじ)プロフィール>
1960年8月3日、和歌山県出身。小学3年で野球を始める。PL学園高、法政大学を経て、83年にドラフト1位で広島カープに入団。高校時代は78年夏にエース&4番として甲子園優勝に貢献した。大学時代は5度のベストナインに輝くなど、3度のリーグ優勝に導いた。プロ入り後は左投げ左打ちの外野手として、91年のセ・リーグ優勝に貢献するなどカープ一筋13年で現役を終えた。現役引退後は野球解説者を経て、カープ、四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の愛媛、香川などで後進を育成。20年よりセガサミー野球部の監督を務める。

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