17日、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選第5戦でU-22ベトナム代表と敵地で戦い、4−0で快勝した。前半でFW李の2ゴールを含む3点を挙げると、後半にも1点を加えた。この結果、3勝1敗1分の勝ち点10でグループ暫定首位に立った。

◇11月17日、ベトナム・ハノイ
U-22ベトナム代表 0−4 U-22日本代表
【得点】
[日] 李忠成(8、25分)、本田圭佑(41分)、細貝萌(86分)
 4ゴールを奪う大勝だったが、どこか後味の悪さが残った。

 4試合を終えて、日本は首位カタールと勝ち点7で並ぶが、得失点差で2位。北京五輪出場に向けて、今回のベトナム戦を含めた残り2試合で可能な限り得点を奪って勝たなければならない。

 日本のシステムは4−4−2で、これまでにないFW李とFW岡崎の2トップ。MF本田拓、MF梶山ら主力をケガで欠くボランチにはトップ下が本職の柏木が入った。対するグループ最下位のベトナムはA代表でも活躍するFWレ・コンビンとFWファン・タンビンがスターティングメンバーに名を連ねた。

 日本は開始早々の前半8分、ロングボールを多用してリスクのない試合運びをするベトナムの一瞬の隙を突いた。MF水野の左サイドからゴール方向に向かうFKに、FW李が体ごと飛び込む。頭に当たってから肩にぶつかったボールがネットに吸い込まれた。最終予選でFWの初めてのゴールで日本が幸先よく先制した。

 その後も攻勢の日本は立て続けにベトナムのゴールを陥れる。25分、MF本田の精密な左クロスを李が豪快なヘッドで左上へ突き刺して、この日2点目のゴール。41分にはゴール前のテンポのよいパス回しから岡崎がPKを獲得すると、キッカーの本田が冷静に左隅へ流し込んで、3点目を奪った。前半は最高の形で終えた。

 だが、反町監督が「相手のペースに合わせるようになって、中盤でテンポをつくれなくなった」と語ったように、後半に入るとベトナムに押し込まれる。アグレッシブなベトナムに次々とセカンドボールを拾われ、7分には、セットプレーからわずかに左へ外れるヘディングシュートをコンビンに許す。

 ようやく日本がリズムを取り戻したのは後半25分にDF伊野波に代えて、五輪予選初出場のMF梅崎を投入してから。途中出場らしく、梅崎は積極果敢にゴールを奪いにいき、28分には左ポスト直撃の強烈なミドルシュートを放つ。流れを取り戻した日本は40分、水野の左FKを途中出場のDF細貝がヘッドを叩き込んで、4−0とした。

 その2分後には、これまた途中出場のFW興梠がPKを獲得。5点目を奪う絶好のチャンスを得る。しかし、キッカーの本田がこの日2本目のキックを完璧にGKに読まれて、最後の詰めを欠いてしまう。1点でも多く獲っておきたい日本にとっては、後味の悪い幕切れだった。

 試合後、反町監督は険しい表情を崩さずに「まだ何も終わっていない。後半は決定機があったが、決められなかった。(最後の)PKがどう響いてくるか……。(病床のオシム監督に)次にもっといい報告ができるように頑張りたい」と語り、選手もそれぞれが「まだサウジ戦が残っている。次を見て準備したい」(水野)「(4−0は)最低限の勝利。もう一つ残っている」(DF水本)と兜の緒を締めていた。

 日本は勝ち点10でグループの暫定首位に浮上。北京五輪予選最終戦第6戦のサウジアラビア戦は、11月21日に国立競技場で行われる。

◇日本代表出場選手

GK
西川周作
DF
青山直晃
水本裕貴
内田篤人
伊野波雅彦
⇒梅崎司(70分)
MF
青山敏弘
⇒細貝萌(75分)
水野晃樹
本田圭佑
柏木陽介
FW
李忠成
岡崎慎司
⇒興梠慎三(79分)