「二宮清純のゼンソク人間学」スタート 〜喘息情報サイト「Zensoku.jp」〜
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(写真:ゲストの勝沼先生(右)、ラグビー・栗原選手と)
コーナースタートにあたって二宮からのメッセージです。
「僕は3歳のころから喘息で、以来45年この病気と付き合っています。昨年、スピードスケートの清水宏保選手と対談した際に“発作を出さない治療法”について知り、それまであまり喘息治療らしいことに取り組んでこなかったことについて、いろいろと考えさせられました。喘息はとても苦しいし、慢性疾患だから長く付き合っていかなきゃいけない。でも、周囲の人にはなかなかそれが伝わらなくて、心無い言葉を言われたこともありました。
最近は社会の喘息への理解も進んだように見えますが、喘息のために辛い思いをしたり、夢をあきらめる人がいるんじゃないか……。そんな人たちのために、私にできることはないのか……。清水選手との対談の後、スポーツ選手や各界で活躍する著名人の中に喘息を持っている方が多いことを知りました。そこで今回は僕のほうからGSKさんに対談企画を持ちかけて、『二宮清純のゼンソク人間学』としてコーナーをスタートすることになりました。各界で活躍する方々が、いかに喘息を乗り越え、今にいたったのか。そんなゲストとの対話を通じて、みなさんとともに、自分自身も喘息に対する理解を深めていきたいと思います」
第1回目の勝沼選手との対談の一部を特別にご紹介します。
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喘息はコントロールできる
二宮: 最近は喘息に対する理解も進んできましたが、私の子どもの頃は喘息に対する偏見がひどかった。「喘息なんて根性がないからだ」とか、「喘息は人にうつるんだ」とかいろいろ言われました。随分傷つきましたよ。
通信簿ではいつも協調性は「C」の評価。たとえば体育の当番でマットを出したり、修学旅行先の旅館で布団をひいたりすると、そのホコリで発作が出る。それで「集団行動ができない」と判断されたみたいです。
勝沼: 今では喘息の症状もだいぶコントロールできるようになりましたが、「学校や幼稚園、保育園の生活は快適ですか」とアンケートをとると、まだ約25%の人たちが「非常に問題がある」という回答を出されています。
まだまだ予防法を駆使しても、うまくコントロールしきれない重症の小児患者さんがいらっしゃるのが実状です。偏見はなくなってきたとはいえ、集団生活の中で誤解されることも多いと聞きます。「無理してやったら、できるんじゃないか」という無理解がなくなっているわけではありません。
二宮: スケートで金メダルを獲得した清水選手は呼吸が苦しい分、心肺のコントロールができるようになったと語っていました。まさに「禍転じて福となす」。喘息の苦しみはよくわかりますから、それを乗り越えて世界の頂点に立つというのは本当に考えられないこと。彼のような存在は、私から見るとまさに「喘息の星」です。
勝沼: 一般的に喘息患者の方は肺活量が低い。肺機能が低下しているなかで激しい動きをするとなると、それだけで大きなハンディキャップとなります。
僕の患者さんでも剣道で日本一になった選手がいました。喘息でも他の子どもたちと同じように、好きなスポーツに出会って自分の秘めた力を開花させることは充分、可能です。昔は喘息児の精神を鍛えるためにスポーツを勧めることが多かったのですが、今ではいろんなスポーツを楽しくやろうという方向に変わりつつあります。
二宮: スポーツとは本来、鍛錬ではなく楽しむものですからね。普通の人と同じように暮らせる喘息のない生活、これが私たち患者にとっては理想です。今後、さまざまゲストをお招きする中で、喘息に対する理解をみなさんとともに深め、正しい知識を学んでいきたいと思います。
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今後もこのコーナーではラグビーの栗原徹選手(NTTコミュニケーションズ)、プロ野球の高橋建投手(広島)が登場予定です。どうぞお楽しみに!