グラクソ・スミスクライン株式会社が運営する喘息情報ウェブサイト「Zensoku.jp」にて、当HP編集長・二宮清純がナビゲーターを務める対談シリーズ「二宮清純のゼンソク人間学」が現在好評配信中です。幼い頃から喘息に悩まされてきた二宮が、病気を克服して活躍しているスポーツ選手や各界の著名人などをゲストにお招きします。喘息をいかに乗り越えるかというテーマで話を進める中で、この病気への理解を深め、患者さんを勇気づけることを目指しています。現在、NTTコミュニケーションズラグビー部・栗原徹選手、喘息専門医の東京慈恵会医科大学小児科・勝沼俊雄先生との対談を公開中です。
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(写真:日本代表として通算27キャップの実績を持つ栗原選手)
 当サイトでは栗原選手との対談の一部を特別にご紹介します。
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 少年時代に体得した喘息対処法

二宮: 栗原選手といえば、日本代表としてW杯出場経験もある名フルバック。まさか喘息とは知りませんでした。喘息にかかったのはいつ頃?

栗原: 病院で診断されたのは高校1年生のときですね。その前に風邪をひいたのですが、大事な大会前だったので、無理して練習を続けていました。すると、ある雨の日に息苦しくなって、まったく走れなくなってしまったんです。

二宮: 子どもの頃から、兆候はなかったのでしょうか?

栗原: 小さい頃から風邪をひいたら、気管支炎になることが多かったですね。「ヒィヒィ」と呼吸しにくくて、前かがみになるのがつらかったんです。小さい頃に倒れて、救急車で運ばれたこともあると両親から聞きました。

二宮: それは重症ですよ。前回、勝沼先生から「ゼイゼイ」という低音より「ヒィヒィ」と高音が出るほうが喘息の症状としては重いと伺いました。

栗原: 当時は苦しい時だけ病院に行く程度で、喘息という言葉自体、知りませんでした。むしろ小さい頃はアトピーがひどくて、2カ月に1回、大きな病院に通っていました。両親もそちらのほうが気になっていたのでしょう。

勝沼: 今のお話を伺うと、小さい頃からアレルギーが要因になって喘息を発症していたと推察できます。まだ栗原選手の子ども時代は、喘息の診断、治療が個々の病院まかせになっていた面がありました。現在は、喘息のガイドラインができ、どの病院でもそれに基づいて診断と治療が行えるようになっています。
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 喘息がハンデとは思わない

勝沼: 栗原選手はお薬をどのように使われていますか?

栗原: 症状をコントロールする薬を朝2回、夜2回、毎日服用しています。ただ、発作を抑える吸入器もいつも持ち歩いています。ウォーミングアップで段階を間違えて発作が起こりそうになったときに即効性がありますから。トレーナーの方に常に持っておいてもらっています。

勝沼: しっかりした予防をされていますね。それでも発作が起こりそうになると?

栗原: スポーツをしていると、どうしても突発的に症状が出てしまうことがありますね。だから、いつも吸入器を2個は持ち歩いている状態です。家にも2個ストックしてあります。車の中にも1個、練習グラウンドのロッカーにも1個。どこかに忘れたり、落としてしまうと大変なので……。
  それでも手元にない時に発作が出ると、吸入器を使っているイメージで、息を吸って、止めて、ゆっくり吐き出してみるんです。気持ちの問題かもしれませんが、「オレは今、これを吸っているんだ」と思い込むと楽になります(笑)。

勝沼: それは一種のプラシーボ効果ですね。自らに暗示をかけることで症状を緩和させる効果があることが医学的にも証明されています。

二宮: 近年のスポーツ界ではドーピングに対する規制が強まっています。これらの治療薬は問題ないのでしょうか。

勝沼: 届出をしないで使用した場合は陽性となりますが、正当な医療行為として事前に申告すれば、使用が許可される薬もあります。

二宮: それは安心です。以前、スピードスケートの清水宏保選手からは発作を抑える薬を使う必要がないところまで症状が改善していると伺いました。喘息のコントロールテストも受けたのですが25点満点。一方、私は10点でした(苦笑)。

勝沼: ぜひ栗原選手もご一緒にテストを受けてみてはいかがですか。
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 今後もこのコーナーではプロ野球の高橋建投手(広島)などが続々と登場予定です。どうぞお楽しみに!
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