17日、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選第4戦でU-22カタール代表に1−2で敗れ、グループ2位に転落した。1−1で迎えた後半ロスタイム、PKで逆転ゴールを許した。

◇10月17日、カタール・ドーハ
U-22カタール代表 2−1 U-22日本代表
【得点】
[カ] アルヘイドス(77分)、マジディ(90+4分)
[日] 青山直晃(43分)
 勝てば最終予選突破に王手がかかる大一番。日本のシステムは4−5−1でワントップには、2次予選5ゴールのFW平山、この2試合で先発のFW森島を押しのけて、今季のJ1で10ゴールのFW李が抜擢された。MF本田拓、MF梶山の2人の主力が出場できないボランチはMF青山敏、MF細貝が入った。

 日本は開始直後こそ押し気味に試合を進めたものの、この一戦で負ければ後がないカタールに徐々にペースを握られていく。前線に人数をかけて、早い段階で放り込むカタールの攻撃に対して、DF青山直、DF水本を中心とした守備が必死に耐える展開が続く。時折、柏木を中心に攻めこむも、サポートが少なく、フィニッシュにつながらない。

 決していい流れではなかったが、日本は先にネットを揺らす。前半終了間際の43分、MF水野の左CKにMF本田が飛び込み、こぼれたボールを青山直が叩き込んだ。最終予選初戦のベトナム戦に続き、屈強のDFが大きな1点をもたらして、前半は1−0で折り返した。

 だが、後半もピリッとしない。統制のとれた守備で相手の攻撃を押さえ込むも、試合を決定づける2点目が遠い。9分には、本田の左サイドからの折り返しに柏木がダイレクトで合わせるも、シュートはクロスバーの上へ。

 決め手を欠く日本に破綻が訪れたのは後半30分。ゴール前やや右よりのFK、MFワリードが右隅へ放ったシュートをGK山本が必死にはじき出すが、その直後の右CK、こぼれ球をMFアルヘイドスにヒールで押し込まれ、1−1の同点に追いつかれてしまう。

 その後、リズムを変えるべく、疲れの見える柏木に代えてMF上田を投入するも、後半ロスタイムの残りワンプレーというところで悲劇が待っていた。MFマジディの左クロスをDF伊野波がPAで左手に当ててしまい、ハンドの判定。迎えたPK、GK山本はマジディの右隅へのキックに反応しながらも止められず、無情にもネットが揺れる。1−2。その直後、試合終了を告げる笛がスタジアムに鳴り響いた。

 この結果、日本は勝ち点7にとどまり、同勝ち点のカタールに得点数で劣るためにB組2位へ転落した。さらに、今回のゲームで主力のFW森島、MF家長が警告を受け、次節出場停止。残り2試合で日本は厳しい状況に追い込まれた。

 試合後、反町監督は「相手の方が球際の強さがあった。あと2試合で勝ち点6を目指すしかない。自分でまいた種は刈り取るしかない」と悲痛な表情。柏木も「最後までチームとして戦えていたのに残念。(2失点目は)全く考えていなかった。落ち込んでいる暇はない。これからやれることをやるしかない」と必死に前を向いていた。
 
 B組2位の日本は11月17日、北京五輪最終予選第5戦でアウェーでベトナムと対戦する。

【日本代表出場選手】

GK
山本海人
DF
青山直晃
水本裕貴
内田篤人
伊野波雅彦
細貝萌
MF
青山敏弘
水野晃樹
⇒家長昭博(45分)
本田圭佑
柏木陽介
⇒上田康太(88分)
FW
李忠成
⇒森島康仁(67分)