7日(日本時間8日未明)、サッカー日本代表はオーストリアで開催されている3大陸トーナメント第1戦でオーストリア代表と戦い、0−0で突入したPK戦の末に敗れた。前半から押し気味に試合を進めたが、決勝点を奪うことができなかった。日本は11日(日本時間12日未明)に第2戦(最終戦)でスイス代表と戦う。

◇9月7日、オーストリア・クラーゲンフルト
オーストリア代表 0−0【PK4−3】 日本代表
 90分間でカタをつけることができなかった。

 オシム体制になって初めての欧州でのテストマッチ。日本の布陣は4−4−2で、2トップにFW田中達(浦和)とFW矢野(新潟)が入った。欧州組のMF中村俊(セルティック)、MF稲本(フランクフルト)も先発。オシム体制初召集のMF松井(ル・マン)はベンチスタートとなった。

 FIFAランクはオーストリアの84位に対して、日本は41位。地元の大声援を受けるオーストリアに試合開始直後こそ押し込まれたが、技術に勝る日本は中村俊を中心にゆっくりとペースをつかんでいく。

 前半最大のチャンスは22分。ゴール正面、絶好の位置で田中達がファウルをもらう。中村俊が囮になって、キッカーのMF遠藤が右隅へ低い弾道のシュートを放つとGKがファンブル。こぼれたボールに鋭く反応した田中達がダイレクトで狙ったが、シュートは無情にも左ポストを叩いた。

 30分を過ぎたあたりからペースが落ちたものの、前半終了間際にも決定的な場面をつくった。左サイドから流れてきたボールを稲本がダイレクトでスルーパス。これをPA右で受けた中村俊が左足でシュートを放つも、GKにはじかれる。好機をモノにすることができない。

 後半に入ると、前半で垣間見えた連動性のある攻撃が息を潜めた。10分には右サイドで加地のクリアミスからピンチを招く。12分には中村俊がミドルエリアで思い切りよく左足を振りぬいたが、シュートはGKの正面を突いた。

 なかなかリズムをつかめない日本は後半25分、田中達に代えて松井を、稲本に代えて中村憲をピッチに送り込む。それでもオーストリアのゴールをこじ開けることができない。松井の積極的なドリブルや中村憲のミドルシュートなどチャンスの数では大きく上回ったが、90分間を終えてノーゴール。試合の決着はPK戦にゆだねられた。

 迎えたPK戦では、双方ともに3人目まで成功。だが、後攻の日本は4人目DF今野が左隅へのシュートを止められてしまう。オーストリアの5人目DFヒデンがクロスバーに当てて失敗するも、日本の5人目DF中澤のキックもクロスバーにはばまれる。結局、日本は相手の3倍以上の13本のシュートを放ちながらもPK戦の末に敗れ、勝ち点1(PK戦での負け)を得るにとどまった。

 試合後、オシム監督は「PK戦は余計だった。我々の方が全体的にエレガントでチャンスの数は多かったが、詰めが甘かった。決定力不足は今に始まった話ではないが、決めきれなかった。ただ、結果ではなく、内容を見て欲しい」と険しい表情だった。

 日本は11日(日本時間12日未明)に3大陸トーナメントの第2戦(最終戦)でスイスと戦う。同国は06年のドイツW杯で16強入りを果たしている強豪。同大会では4試合で無失点と堅い守備には定評がある。オシム監督は「スイスは欧州のベスト10に入る強豪国。オーストリアより強い。日本の力を計る、いい機会だと思う」と次の戦いを見据えていた。

<日本代表出場メンバー>

GK
川口能活
DF
田中マルクス闘莉王
中澤佑二
駒野友一
⇒今野泰幸(89分)
加地亮
MF
稲本潤一
⇒中村憲剛(65分)
鈴木啓太
遠藤保仁
中村俊輔
FW
田中達也
⇒松井大輔(65分)
矢野貴章
⇒巻誠一郎(70分)