8日(日本時間9日未明)、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選第2戦でU-22サウジアラビア代表と敵地で戦い、スコアレスで引き分けた。後半途中にサウジアラビアに退場者が出たが、数的有利を生かしきれなかった。12日に第3戦でカタールと対戦する。

◇9月8日、サウジアラビア・ダンマン
U-22サウジアラビア代表 0−0 U-22日本代表
 10人のサウジアラビアを崩しきれなかった。

 この大一番で反町監督は思い切った選手起用を行った。3−6−1の守備的なシステムのワントップに入ったのは、2次予選6戦5発のエースFW平山ではなく初招集のU-20世代FW森島。同じくU-20世代のMF内田も右サイドで先発した。

 日中は40度を超える灼熱の地ダンマン。序盤、初戦のカタール戦を落として後がないサウジアラビアが前に出る。前半8分、DFイブラヒムのパンチ力のあるミドルシュートが日本のゴールを襲うと、同21分には、右サイドから距離のあるFKをMFガイナムが思い切って狙う。日本はGK山本の好セーブもあり、失点を免れる。
 
 引き気味の展開の中、日本も27分に決定的なチャンスを迎える。MF家長が右サイドで1対1を仕掛けてクロス。中央に待っていた水野が体をねじって強烈なヘッドを放つも、コースが甘く、GKに弾かれた。

 後半、前半に押され気味だった日本はMF水野に代えて運動量とテクニックを併せ持つMF柏木を投入する。しばらくは膠着した展開が続いたが、17分、サウジアラビアMFタガフィが本日2枚目の警告を受けて退場。数的優位に立った日本に、敵地での勝ち点3が見えてくる。

 だが、10人のサウジアラビアのゴールをこじ開けることができない。後半28分、柏木が左クロスを送り、中央の家長が頭で合わせるも、GKがキャッチ。残り5分を切って、運動量の落ちた森島に代えて平山を投入したが、フィニッシュにすら持ち込めない。結局、0−0のまま、試合終了のホイッスルが鳴った。

 試合後、敵地での勝ち点1獲得とはいえ、数的有利で勝ちきれなかったことに選手は悔しさをあらわにした。家長は「相手が10人だったのに勝ち点3を獲れなかったのは残念」と語り、森島は「チャンスあったのに申し訳ない」とコメント。このゲームで主将を務めたDF水本も「ディフェンスは最低限のことをやれたが、結果がついてこなくて残念」と笑顔はなかった。

 最終予選C組は2試合を終えて、カタールが勝ち点4で首位。同じく勝ち点4の日本は得失点差で2位につける。12日の第3戦では、そのカタールと直接対決。ホームでの戦いということもあり、負けは決して許されない。

 ベトナムから日本に向かうカタールに対し、日本はサウジアラビアから帰国。移動距離を考えると、日本の方が厳しい状況に置かれる。天王山のカタール戦に向けて、反町監督は「今からすぐに時差調整をしなくてはいけない。勝ち点3を獲れるようにベストをつくしたい」と強く意気込んでいた。

【日本代表出場選手】

GK
山本海人
DF
伊野波雅彦
青山直晃
水本裕貴
MF
本田拓也
梶山陽平
⇒青山敏弘(76分)
内田篤人
本田圭佑
水野晃樹
⇒柏木陽介(45分)
家長昭博
FW
森島康仁
⇒平山相太(87分)