四国・九州アイランドリーグは21日、後期優勝までのマジックを1としていた愛媛マンダリンパイレーツが松山・坊っちゃんスタジアムで香川オリーブガイナーズと引き分け、リーグ創設4年目で初優勝を果たした。愛媛は前期優勝の香川と年間王者を賭けて27日(土)からのリーグチャンピオンシップ(3戦先勝制)を戦う。

(写真:優勝を決め、ファンと万歳をする愛媛の選手たち)
◇9月21日(日)
 堅守で勝ち越し点許さず(愛媛3勝3敗2分、坊っちゃん、9,130人)
香川オリーブガイナーズ  1 = 000000010
愛媛マンダリンパイレーツ 1 = 000100000 (9回引き分け)

 今季の愛媛は昨季の最多勝右腕・梶本達哉がオリックスに入団。チームの中心投手だった浦川大輔(福岡へ移籍)、小山内大和(BCリーグ・富山)が抜け、「投手陣が一番心配」(沖泰司監督)な状態で開幕を迎えた。

 前期は投打の歯車がかみ合わず4位。しかし、沖監督は「若い投手たちが勝負してくれる」と手ごたえを感じていた。事実、1、2年目の選手たちは経験を積むことで成長をみせた。先発ではルーキーの川西裕太郎と高木大輔がそろって7勝。ここにヒジの手術から復帰した近平省悟が加わった。速球が武器の西川雅人が抑え役として固定され、「西川に廻せ」がチームの合言葉となった。宇都宮勝平、入野貴大らのリリーフ陣も西川までのバトンをしっかりとつないだ。

 後期はスタートダッシュには失敗したものの、徳島を除く5球団が激しく争う展開の中、徐々に順位を上げた。決め手となったのは8月末からの8連勝。単独首位に立ち、マジックを点灯させた。優勝を決めた香川戦も先発の高木が7回を無失点に抑える好投。8回から登板した西川が同点に追いつかれたが、1死満塁のピンチからレフトフライでタッチアップした三塁走者をムダのない中継プレーで本塁タッチアウトにしとめ、勝ち越し点を与えなかった。
(写真:歓喜の瞬間を一目見ようとスタンドはオレンジに染まった)

 愛媛はこれまで外国人選手も元NPB選手も採用したことがない。「(育成を目的にリーグを立ち上げた)石毛(宏典)さんの理念を体現した唯一のチーム」と指揮官は胸を張る。育成と勝利は時に両立しない。要求された2つの命題を同時にクリアし、愛媛は昨年ひとつも勝てなかったリーグチャンピオンシップ(昨季は年間2位で出場)で再び香川に挑戦する。

愛媛・沖泰司監督
今季を象徴する試合
 開幕前は投手陣が1番心配だったが、前期からずっと頑張ってくれていた。今日の試合も今年を象徴する試合だった。8回の(一打勝ち越しの)ピンチも普通では考えられなかったような中継プレーを見せたり、(相手に)送りバントをさせないなど、よく守った。
 期待していた打撃陣が復調してくれれば、勝てるという意識はあった。パイレーツの歴史がようやくできた。これで選手たちも一皮むけたと思う。MVPは月並みな言い方かもしれないが全員にあげたい。

愛媛・檜垣浩太キャプテン(ファンの前で感激の涙)
プレッシャーがあった
 抑えの西川さんにつなげれば勝てるという形ができたのが大きい。攻撃でもチャンスをつくってここ一番で点がとれた。サヨナラ勝ちや接戦をモノにすることが多くなり、いけると感じていた。
 個人成績では満足していないが、キャプテンとしての仕事ができてよかった。連勝中は優勝への意識がなかったが、マジックが点いた瞬間にかなり緊張した。プレッシャーから解放されて思わず涙が出てしまった。優勝争いができたことはいい経験。次はチャンピオンシップで本当の優勝を勝ち取りたい。

<リーグチャンピオンシップ概要>

【日程】
 9月27日(土) 第1戦
坊っちゃんスタジアム 愛媛−香川 18時
 9月28日(日) 第2戦
坊っちゃんスタジアム 愛媛−香川 18時
 10月4日(土) 第3戦
サーパススタジアム  香川−愛媛 18時
 10月5日(日) 第4戦
サーパススタジアム  香川−愛媛 18時
 10月6日(月) 第5戦
サーパススタジアム  香川−愛媛 18時
※決着がつかない場合、雨天中止の場合の予備日程として10月7日(火)、18時試合開始(球場は坊っちゃんスタジアムかサーパススタジアム)を設定。

【入場料】 大人:1,200円、小中学生:600円、未就学児童:無料(当日券のみ、全席自由)
※四国・九州アイランド公式戦チケット、年間パスは利用不可。


 飯田の逆転打で高知2位確定(高知7勝1敗、アグリあなん、2,319人)
高知ファイティングドッグス 4 = 000000310
徳島インディゴソックス   2 = 100001000
勝利投手 野原(15勝4敗)
敗戦投手 渡邊(9勝12敗3S)
セーブ   上里田(0勝2敗22S)
本塁打   (徳)アティング2号ソロ、3号ソロ

 4投手のリレーで逃げ切り、福岡4位決定(福岡4勝3敗、小郡、807人)
長崎セインツ        1 = 100000000
福岡レッドワーブラーズ 2 = 110000000
勝利投手 西村拓(4勝6敗2S)
敗戦投手 酒井(5勝11敗6S)
セーブ   キム(2勝0敗17S)

<順位表> 勝  負  分  勝率  差  残 
1.愛媛    21 13  5 .618  優勝 1
2.高知    22 15  3 .595  0.5  0
3.香川    20 15  4 .571  1.0  1
4.福岡    19 17  3 .528  1.5  1
5.長崎    18 20  1 .474  2.0  1
6.徳島    9  29  2 .237  9.0  0

<9月22日(月)の予定> ( )内は予告先発
サーパススタジアム 香川(安達)−福岡(森) 18時


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