四国・九州アイランドリーグは23日、最後に残っていた1試合を終了し、2008シーズンの全日程を終了した。後期は愛媛が初めてリーグを制覇し、香川の5期連続優勝を阻んだ。個人タイトルでは丈武(香川)が昨季に続いて打撃2冠(本塁打、打点)を獲得。投手では上里田光正(高知)が最優秀防御率と最多セーブの2冠に輝いた。2008年の年間王者をかけたリーグチャンピオンシップは前期優勝の香川と後期優勝の愛媛による組み合わせで27日に開幕する。

 今季のアイランドリーグは九州地区の2球団が新規参入し、シーズンが開幕した。愛媛がホーム開幕戦で初の1試合観客動員1万人を達成するなど、リーグ4年目を迎える四国では各球団の取り組みが一定の成果をみせた。一方で九州の2球団は観客動員で苦戦。500人を切る試合も目立った。「四国で立ち上げた時には日本初(の独立リーグ)というインパクトがあった。九州ではそれがない」(九州の球団関係者)。九州には福岡ソフトバンクという強力な“競合他社”もあり、地域密着の球団づくりには時間がかかることを感じさせた。

 長崎、徳島と成績が低迷した球団で監督が途中交代したのも今季の特徴。その後の新体制ではいずれも元NPB選手を兼任で首脳陣に組み込んだ。不振の原因を指揮官がとるのはやむを得ないが、選手育成の観点から考えるとプレーヤーとの二足のわらじを履く指導体制には疑問が残った。NPBと違って各球団の指導者は3名のみ。監督、コーチの重要度はむしろNPBよりも高い。来季からは関西に独立リーグも誕生するだけに、指導者の確保は急務だ。

 各チームの主力も、3年目以上の“ベテラン”や元NPB選手で占められ、NPBスカウトの求める人材との乖離がみえはじめた。確かにNPBとの交流戦では好成績を収め、リーグは着実なレベルアップをみせている。その半面、スカウト陣からは過去3年と比べて、楽しみな若手が見られなかったとの声も聞かれた。現に個人の主要タイトルはすべて3年目以上の選手が獲得し、リーグ4年目で初めてルーキーの名前が出なかった。

「アイランドリーグが(年齢の高い選手が多くなり)マスターズリーグ化している」
 ある監督は危機感を口にする。地域密着と育成を両輪に走る日本初の独立リーグは来年で5年目。ひとつの節目を迎えるにあたり、その両面で2009シーズンへの宿題ができた1年だった。

<個人タイトル> 
(投手部門)
・最優秀防御率
上里田光正(高知) 1.04
・最多勝     
西川徹哉(高知) 17勝
・最多セーブ
上里田光正(高知) 22セーブ
・最多奪三振    
西川徹哉(高知) 116個

(野手部門)
・首位打者
西村悟(福岡) .317
・最多打点   
丈武(香川) 52打点
・最多本塁打  
丈武(香川) 7本塁打
・最多盗塁   
YAMASHIN(高知) 53盗塁


 武部、初登板で初勝利(愛媛7勝0敗1分、佐世保、607人)
愛媛マンダリンパイレーツ 2 = 001001000
長崎セインツ         1 = 000000010
勝利投手 武部(1勝0敗)
敗戦投手 前田(9勝5敗5S)
セーブ   入野(4勝1敗1S)

<順位表> 勝  負  分  勝率  差 
1.愛媛    22 13  5 .628  優勝
2.高知    22 15  3 .595  1.0
3.香川    20 16  4 .556  1.5
4.福岡    20 17  3 .541  0.5
5.長崎    18 21  1 .461  3.0
6.徳島    9  29  2 .237  8.5


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