◇10月25日 ニッパツ三ツ沢球技場 3,739人
横浜FC 2−2 愛媛FC【得点】
[横浜] 御給(10分)、三浦知(55分)
[愛媛] 大木(50分)、横谷(53分)
望月一仁監督はじめ、選手誰もが共通の感想を口にしたゲームだった。「もったいなかった」。愛媛は勝ち点1こそ手にしたものの、勝ち点3をキング・カズこと三浦知良のゴールにさらわれた。
立ち上がりから愛媛はベテランFW大木勉を中心に、相手ゴールに襲い掛かる。しかし、先制ゴールをあげたのは横浜だった。前半10分、左サイドの突破を許し、MF滝澤邦彦が低いクロス。ゴール前のFW御給匠に合わされ、あっけなくゴールを割られた。前節の仙台戦に続き、愛媛は早い時間帯に失点する。
だが、仙台戦同様、その後は愛媛ペース。「攻撃のバリエーションが出てきた」と司令塔のMF宮原裕司が語るように、サイド攻撃を主としながら、各選手が連動してゴールへの動きをみせる。後半36分にはパスをテンポよくつないで攻め上がり、右サイドからMF横谷繁が強烈なシュート。相手GKがはじいたところを大木が迫ったが、これもセーブされた。さらに41分は、DF金守智哉のクロスから大木のボレーシュート。しかし、ボールは枠の外へ流れ、愛媛は1点のビハインドを背負って、試合を折り返した。
迎えた後半、愛媛はサイドから人数をかけて攻撃の形をつくる。横浜の運動量が落ちたこともプラスに働き、後半10分、待望の得点が生まれた。まずMF江後賢一が左サイドから加速して相手DFを振り切る。あげたクロスに頭を出したのはニアに詰めていた大木だ。アシストの江後が「狙い通りの形だった」と振り返る鮮やかな同点弾。そのヘディングシュートが勢いよく横浜ゴールを揺らした。
3分後、今度は横谷が魅せる。GKからのキックを受け、相手DFをドリブルでかわす。「ゴールが近かったので左(足)で振りぬいてみようかな」。右45度の角度から放たれたシュートは、ゴール左隅へ。豪快な横谷の今季2点目で愛媛は逆転に成功する。
しかし、愛媛ペースの試合を41歳のストライカーが、ひと蹴りで変えてしまう。後半10分、三浦知がゴール右からDF2人をかわし、倒れこみながら右足シュート。決して勢いはなかったが、J最年長ゴールとなる記念のボールが枠内に吸い込まれた。カズにとっては93年のJリーグ発足以来、16年連続となる得点でスタジアムの空気が一変する。
追いつかれた愛媛は、足のつった大木ら2トップを入れ替えて局面の打開を試みたものの、逆にボールがおさまらない。何度か江後が左サイドから切り込んで、自ら決めに行く場面も見られたが、いずれも相手GKに阻まれた。
「前半、追いつけなかったのが残念。内容的には前半が良かった。(2トップを交代した後は)サッカーにならなかった」
望月監督は悔しそうに引き分けに終わった試合を振り返った。愛媛FCの次の試合は11月3日。天皇杯4回戦で浦和レッズと昨年に続き、合間見える。「来年につながるサッカーをしたい」。キャプテンの金守は意気込みを語った。結果こそ出ていないが、チーム状態は一時期の混迷を脱した。2年連続のジャイアントキリングに期待したい。
<両チームメンバー>
愛媛FCGK 1 川北裕介
DF 13 関根永悟
3 金守智哉
28 高杉亮太
14 三上卓哉
MF 10 宮原裕司
16 赤井秀一
22 横谷繁
18 江後賢一
FW 8 内村圭宏 → 19 笹垣亮介(59分)
20 大木勉 → 11 田中俊也(67分)
横浜FCGK 1 小山健二
DF 22 吉田正樹
5 エリゼウ
7 吉本岳史
17 三浦淳宏 → 6 太田宏介(77分)
MF 18 小野智吉 → 24 根占真伍(53分)
23 八角剛史
11 三浦知良 → FW 9 アンデルソン(67分)
13 滝澤邦彦
FW 16 御給匠
20 池元友樹
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