11月8日(土)
 8日、日本シリーズは東京ドームに戻って第6戦が行われた。西武は初回に3点を先行すると、4回途中から第5戦で完封勝利をあげた岸孝之を投入。最後までリードを守りきって4−1で勝利し、逆王手をかけた。

◇第6戦
 平尾、全4打点の活躍(西武3勝3敗、東京ドーム)
埼玉西武   4 = 300010000
巨人      1 = 010000000
勝利投手 岸(2勝0敗)
敗戦投手 高橋尚(0勝1敗)
本塁打   (西)平尾2号ソロ
 手負いの獅子を救ったのは若き右腕と、いつもはベンチに控える脇役だった。崖っぷちに立たされた西武は正捕手の細川亨が肩を痛めて欠場。苦境の中で、投げては2番手の岸孝之がスコアボードにゼロを並べ、打っては左対策でスタメン入りした平尾博嗣がすべての得点をスコアボードにともした。

 先制パンチをみせたのは、王手をかけられた西武だった。初回、1死から2番・栗山巧がヒットで出塁し、第5戦で脇腹を痛めた中島裕之が打席へ。ケガの状態が不安視された3番打者に巨人の先発左腕・高橋尚成は四球を与えてしまう。続く4番・中村剛也も四球ですべての塁が埋まり、2死後、平尾にカウント1−1からの内角ストレートを振りぬかれた。打球は左中間を破る走者一掃のタイムリー2塁打。西武は3点を先行する。

 巨人の反撃は2回。ラミレス、李承ヨプの連打で1、3塁のチャンスを築き、迎えた亀井義行が初球のインコースを叩く。これがライト線を破る2塁打となり、巨人が1点を返した。なおも2、3塁と一打同点の場面。ここで巨人・原辰徳監督は打順の回ってきた先発・高橋尚に早くも代打・大道典嘉を出して勝負をかけてきた。しかし、大道は変化球を引っ掛けてショートゴロに倒れ、絶好の同点機を逃す。

 その後は両軍ともランナーを出しながら、あと1本が出ない重苦しい展開。そんな中、負けられない西武ベンチも勝負をかけてきた。4回、1死1、3塁のピンチで渡辺久信監督は先発・帆足和幸から第4戦で147球を投げて完封した岸にスイッチする。岸は坂本勇人をセンターフライ、続く鶴岡一成は空振り三振。完璧なリリーフで流れを巨人に渡さない。

 試合の行方を決定付ける1点が入ったのは直後の5回だった。西武は先頭の平尾が巨人3番手・西村健太朗の甘く入ったストレートをフルスイング。打球は西武ファンの待つレフトスタンドへ飛び込んだ。平尾にとっては2試合連続の貴重なソロアーチで4−1。リードは3点に広がった。

 一方、窮地を切り抜けた西武の岸は中2日の疲れもみせず、巨人打線を封じていく。5回は3塁に走者を背負ったものの、3番・小笠原道大をカープで空振り三振。8回の1死1、3塁の場面では、4番・ラミレスに内をえぐるシュートでポップフライを打たせ、続く李にはカウント2−0からアウトコースいっぱいに決まるストレートで見逃し三振にうちとった。

 圧巻の投球をみせた2年目の右腕は9回もマウンドへ。1死1、3塁と一発同点の状況になったが、打ち気満々の木村拓也、3安打の鈴木尚広をいずれもカーブでかわして空振り三振。勝負どころで相手のタイミングを外す変化球が見事に決まり、最後まで巨人に的を絞らせなかった。

 雌雄を決する第7戦は、巨人が第3戦で勝利投手となった内海哲也、西武は左腕の石井一久か、まだ今シリーズ登板のない西口文也の先発が予想される。とはいえ、お互いに勝っても負けても最後の決戦。巨人・上原浩治、西武・涌井秀章らのスクランブル登板も見られるかもしれない。4年ぶりに第7戦までもつれ込んだ今年の日本シリーズ。9日、東京ドームですべてが決まる。

○西武・渡辺監督
 日本シリーズにふさわしいいいゲームだった。岸は中2日だったが、本人の最後まで投げたいという気持ちが出ていた。相手打線のタイミングが合っていなかったので、ヘタに代えると流れが変わると思った。最後まで心中のつもりだった。
 初回に点が入らないとイヤな感じになるところだったが、(平尾)博嗣が打ってくれて、うちのリズムで試合ができた。
 今日はここで胴上げさせないという気持ちだった。うちの選手たちはたいしたものだ。最終戦は総力戦。なんとか勝てるように全力を尽くしたい。

○西武・平尾
 王手をかけられてもリラックスして楽しくやっていた。(初回は)みんながつないでくれて、先制点がほしい場面だったので何とか打てて良かった。(5回のホームランも)あれでチームが乗ってくれたと思う。総力戦のつもりで戦っていたので、帆足が早く降りてしまったが、岸がよく頑張ってくれた。明日は絶対勝ちます!


【Jリーグ ディヴィジョン1 第31節】
 アウェーで逆転勝ち、暫定で首位と勝ち点並ぶ(札幌ド)
コンサドーレ札幌 1−2 浦和レッズ
【得点】
[札幌]ダヴィ(13分)
[浦和]田中達也(28分)、エジミウソン(54分)

 柳沢の2ゴールで残留争い抜け出す(日産ス)
横浜F・マリノス 1−3 京都サンガ
【得点】
[横浜FM]河合竜二(2分)
[京都]柳沢敦(27分、86分)、佐藤勇人(89分)

 痛い敗戦で、優勝争いから一歩後退(NACK)
大宮アルディージャ 2−1 川崎フロンターレ
【得点】
[大宮]藤本主税(26分)、ラフリッチ(77分)
[川崎F]森勇介(35分)

 試合終盤での逆転負け、暫定首位浮上ならず(柏)
柏レイソル 2−1 名古屋グランパス
【得点】
[柏]菅沼実(79分)、ポポ(81分)
[名古屋]小川佳純(32分)

 シュート7本で3ゴール、決定力みせつけ快勝(万博)
ガンバ大阪 1−3 FC東京
【得点】
[G大阪]ルーカス(66分)
[F東京]カボレ(20分)、石川直宏(46分)、平山相太(62分)

 静岡ダービーを崖っぷちの磐田が制す(エコパ)
ジュビロ磐田 1−0 清水エスパルス
【得点】
[磐田]前田遼一(46分)