来年3月に開催される第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場する日本代表の体制が12日、正式決定し、記者会見が行われた。代表監督に就任した巨人・原辰徳監督は「いい港へ、我々が目標とする港へ船を迷わせることなくしっかりたどり着けるようにしたい」と抱負を語った。1次予選にあたる東京ラウンドは来年3月5日に開幕し、日本は初戦で中国代表と対戦する。
(写真:「今が船出」と語った原監督(中央)ら日本代表首脳陣)
 第2回WBCは「SAMURAI」が連覇を目指す。サムライ・ジャパンという名称は既にホッケーの代表チームが使用しているが、「双方のチームがファンの方に親しまれ、世界で活躍できるように」(加藤良三コミッショナー)と、同じ名前にすることが決まった。このネーミングについて原監督は「非常に気に入っている。(SAMURAIは)国際語のようなもの。我々にピッタリの名前」と感想を述べた。

 会見に先立って行われた第1回のスタッフ会議では投手、野手含めて48選手をリストアップ。近日中に打診が行われ、1月20日に暫定ロースター45名が発表される。「全員が“よし、わかった”と日本のため、JAPANのため、SAMURAI JAPANのため、全身全霊をもって戦うと返事をしてくれることを信じている」と原監督は候補選手たちに期待を寄せた。

 今回のWBCでは1次予選と2次予選で「ダブル・エリミネーション方式」という変則的なトーナメント戦が実施される。1度負けても敗者復活戦にまわり、そこで勝ち抜けば予選を通過できるシステムだ。甲子園や社会人野球での“一発勝負”が当たり前の日本にとってはなじみの薄い方式だが、原監督は「目の前の敵を倒すことに集中して、その試合に対してしっかり戦っていくだけ」と気に留めていない様子だった。

「世界中にいる日本の野球人が一同に、一致団結して最強の日本チームをつくりたい」
 前回大会と比べて各国のWBCにかける熱意はまったく異なる。米国では多数のメジャーリーガーが参加を表明し、第1回以上のドリームチームが生まれることは確実だ。東京ラウンドでの激突が予想される韓国も前回大会では2度敗れ、北京五輪でも苦杯を舐めさせられた。連覇を目指す日本が進む先にはいくつもの荒波が待ち構えている。それでも目指す港は世界一。SAMURAIたちは高らかに帆をあげ、世界と激突する大海原へ出航する。

<WBC日本代表監督・コーチ陣>
【監督】
 原辰徳(巨人監督)
【投手コーチ】
 山田久志(前中日監督)
【内野守備走塁コーチ(三塁ベースコーチ】
 高代延博(前中日コーチ)
【打撃コーチ】
 篠塚和典(巨人コーチ)
【総合コーチ】
 伊東勤(前西武監督)
【投手コーチ(ブルペン担当)】
 与田剛(元阪神投手)
【外野守備走塁コーチ(一塁ベースコーチ)】
 緒方耕一(巨人コーチ)

<WBC東京ラウンド日程>
3月5日(木)
・ゲーム1 日本−中国 18:30
3月6日(金)
・ゲーム2 台湾−韓国 18:30
3月7日(土)
・ゲーム3 ゲーム1の敗者−ゲーム2の敗者 12:30
・ゲーム4 ゲーム1の勝者−ゲーム2の勝者 19:00 ※勝者はサンディエゴ・ラウンド(2次予選)進出決定
3月8日(日)
・ゲーム5 ゲーム4の敗者−ゲーム3の勝者 18:30 ※勝者はサンディエゴ・ラウンド進出決定
3月9日(月)
・ゲーム6 ゲーム4の勝者−ゲーム5の勝者 18:30 ※勝者が東京ラウンド1位、敗者が2位でサンディエゴ・ラウンドへ

※日本はすべて一塁側、試合時間は予定