◇12月6日 大阪長居スタジアム 16,186人
 セレッソ大阪 2−1 愛媛FC
【得点】
[大阪] 酒本(63分)、カイオ(64分)
[愛媛] 江後(50分)

 先制しながら勝ちゲームにできなかった。わずか2分で2失点の逆転負け。「今年は点をとっても、逆に追い込まれた感じになってしまう」。キャプテンの金守智哉が首をひねるチーム状態は最後まで変わらなかった。

 前半は中盤でボールを奪い、前を向く時間が多かった。セットプレーでのチャンスも何度も得た。ここ5試合で7得点をあげているセレッソのMF香川真司の個人技にヒヤリとする場面もあったものの、0−0で試合を折り返した。

 後半も愛媛は前半のサッカーを継続。後半5分、FW横山拓也が相手敵陣内でボールを奪い、左サイドを駆け上がったMF江後賢一にパスを送る。ファーに入れた江後のクロスはやや流れたが、オレンジのユニホームが次々とボールに絡み、セカンドボールを奪って波状攻撃を仕掛ける。前線にボールを入れること3度目。こぼれ球に対してゴール左から江後がダイレクトで左足を振りぬくと、ゴールネットが大きく揺れた。

 先制して勢いが出た愛媛は9分にもMF青野大介のショートコーナーから、MF横谷繁がループ気味のシュートを放つ。惜しくもボールはポストをかすめたが、流れは愛媛にきていた。

 だが、それから5分も経たない内に局面は一変する。後半13分、右サイドからDF酒本憲幸、FWカイオとつながれ、再び酒本へのスルーパスが通ると、最終ラインが対応しきれない。GK多田大介のダイブも及ばず、ゴール右に同点弾を叩き込まれた。さらにゲーム再開直後、最終ラインが再びほころびをみせる。MFジェルマーノの縦パス一本に、抜け出したのはカレカ。逆転ゴールを決められ、あっという間に試合をひっくり返された。

 反撃したい愛媛は2トップを入れ替えて長身の若林学と、田中俊也をピッチへ送り込む。終盤は若林をターゲットにボールを集めたものの、逆転での入れ替え戦出場には勝利が絶対条件のセレッソも簡単には決定機を与えてくれない。後半ロスタイムには引退を表明した元日本代表MFの森島寛晃が登場。スタジアムが最高潮に盛り上がる中、敗戦のホイッスルを聴いた。

 愛媛は前年の10位から大きく順位を下げる14位で今シーズンを終了。3位のベガルタ仙台が勝利したため、セレッソの入れ替え戦出場はならなかったが、優勝したサンフレッチェ広島、2位・モンテディオ山形の昇格試合では、いずれも引き立て役に回った。

 総得点はリーグワーストの39点。それでもラスト3試合はすべて先制点をあげたが、今度は守備が計7失点とチグハグだった。J2は来季から3クラブが増え、18クラブでのリーグ戦となる。Jリーグではクラブ数が22を超えた時点で下位とJFL上位との入れ替えを考えており、成績が低迷すると近い将来、“降格”の2文字が現実味を帯びることになる。“降格”ではなく、1字違いで大違いの“昇格”を目指すには何をすべきか。伸び悩む観客動員(1試合平均3,704人はリーグワースト2)をアップするには何が必要か。3年間の戦いを総括し、真の県民クラブとして、次のステップへ踏み出す時期がきている。

<両チームメンバー>
愛媛FC
GK 21 多田大介
DF 13 関根永悟
    3 金守智哉
   28 高杉亮太
   14 三上卓哉
MF 16 赤井秀一 
   27 青野大介 
   22 横谷繁 
   18 江後賢一    
FW 20 大木勉 → 30 若林学(79分)
   24 横山拓也 → 11 田中俊也(74分)

セレッソ大阪
GK 21 山本浩正
DF  5 前田和哉
    2 羽田憲司
    4 藤本康太
MF 17 酒本憲幸
    6 濱田武
   10 ジェルマーノ
   34 平島崇
   26 香川真司 → 8 森島寛晃(89分)
FW 31 乾貴士 → MF 9 古橋達弥(85分)
   33 カイオ

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