ボストン・レッドソックスの松坂大輔が日本時間10日、ホームのタンパベイ・レイズ戦で今季初登板を迎えた。先発マウンドに上がった松坂だったが、2回から4回まで毎回本塁打を浴びる不安定な内容。6回途中9安打4失点で降板した。チームは反撃も及ばず、3−4で敗れたため、松坂は初黒星を喫した。レイズ・岩村明憲との対決は空振り三振、四球、センターフライ、センターへの2塁打と3打数1安打だった。
 2大会連続でMVPに輝いたWBCの投球には程遠い内容だった。いきなり実現した1番・岩村との今季初対戦こそアウトローのボールで空振り三振にしとめたが、2死後、WBC米国代表のエバン・ロンゴリアに2塁打を浴びる。状態が良くないまま迎えた2回は先頭のマット・ジョイスにライトスタンドへ運ばれ、先制を許した。

 3回は先頭の岩村にストレートの四球を与えると、第1打席に長打を打たれたロンゴリアに2ランを叩き込まれた。4回もショーン・リガンスにライトへソロアーチを浴びて、計4失点。球威がなく、コントロールも乱れれば、昨季17勝をあげた右腕でも抑えるのは困難だった。6回はちょうどこの日の100球目を、岩村が左中間へ。グリーンモンスターがなければスタンドインという2塁打で松坂はマウンドを降りた。

 現地ではWBCで力投をみせた松坂に対して、シーズンへの悪影響を指摘する意見がある。特に準決勝で98球投げたことには首脳陣からも「オーバーペース」との声があがった。レイズ、ヤンキースと強豪がそろう激戦区を勝ち抜くには松坂の力は必要不可欠。不安を一掃するためにも、次回登板は周囲を納得させる投球が求められる。