愛媛マンダリンパイレーツの韓国人外野手・文相勲(ムン・サンフン)が強姦致傷の容疑で松山東署に逮捕された。地元紙などの報道によると、文容疑者は13日の未明、松山市内の23歳の女性宅に侵入。性的暴行をはたらいてケガを負わせた疑いがもたれている。本人は容疑を否認しているようだが、女性の部屋に入ったことは認めており、球団は「契約に違反する行為があった」として、即日解雇を決定した。
 文は球団初の外国人選手として今年1月に愛媛へ入団。韓国プロ野球の三星ライオンズでもプレー経験をもつ。愛媛の沖泰司監督は「大振りせず、ミートに徹してどんな球にも対応できる」と、そのバッティング技術を高く評価。ここまでリーグ戦では34打数3安打と不調だったが、全10試合に出場していた。

 リーグがスタートして選手が逮捕されたのは今回が初めて。前代未聞の事態に薬師神績球団代表は、「愛媛マンダリンパイレーツに対して絶大なるご支援、ご声援を頂いている皆様方に、多大なるご迷惑をお掛けいたしました事、深く深くお詫びを申し上げます。監督、コーチ、全選手、球団スタッフ一同、この事態を真摯に受け止め、球団創設の原点に返ってチームの再生に努めて参る所存です」とお詫びのコメントを発表した。

 これまで愛媛は「地域と共に!!」を行動指針のひとつに掲げ、イベント参加や下校児童の見守り、清掃活動などへの協力など、地元に愛される球団づくりへ熱心に活動してきた。その努力が実を結び、昨年のホーム開幕戦ではリーグで初めて1試合の観客動員が1万人を突破。今季の開幕戦でも7872人の観衆を坊っちゃんスタジアムに集めていた。

 容疑が事実だとすれば、こうした地道な取り組みを踏みにじる結果になったことは明らか。夢を目指す選手たちの頑張りにも水を差した。節目の5年目を迎えたアイランドリーグにつけられた大きな汚点。観る人に感動と喜びを与えるはずの選手が犯した罪はあまりにも重い。

 なおアイランドリーグは28日付で、鍵山誠CEOを委員長とする再発防止策検討委員会を設置。全6球団が連携して選手教育の徹底を図る方針を打ち出した。


<4月29日(水)の予定> ( )内は予告先発
サーパススタジアム 香川(福田)−徳島(佐藤) 14時
鳥栖市民球場     福岡(徳永)−高知(野原) 18時
ビッグNスタジアム  長崎(土田)−愛媛(能登原) 18時