東北楽天ゴールデンイーグルスは10日、今季、香川オリーブガイナーズから育成選手として入団した森田丈武選手を支配下登録すると発表した。登録名は香川時代と同じく「丈武」で背番号は「98」。丈武は即日、1軍登録され、本拠地で行われた中日戦に「8番・サード」でスタメン出場。第2打席で中日の先発左腕・小笠原孝からライトへの2塁打を放ち、NPB初安打を記録した。第1打席は遊ゴロ、第3打席は空振り三振で3打数1安打だった。

 デビュー戦は小雨が降りしきる濃霧の中の試合だった。しかし、最悪のコンディションが丈武には味方した。
 0−12と大差をつけられた5回、1軍で2度目の打席が巡ってくる。2回の初打席は小笠原の低めのストレートを打たされて、ショートゴロ。ただ、ファーストストライクからフルスイングをみせるなど、積極性は見えていた。

 この打席も初球のスライダーに手を出して空振りしたものの、3球目は同じインコースのスライダーをファールする。フルカウントからの6球目、高めのストレートにバットを出した。打球はやや差し込まれ、ライトへの飛球。ところが、濃さを増した霧がボールの行方をくらませた。外野の芝に打球が弾み、丈武は2塁へ。幸運な形でスコアボードにヒットを示す「H」のランプが点灯した。

 今回の1軍昇格は28歳の遅咲きルーキーにとって願ってもないチャンスだ。この日まで楽天は今季初の5連敗中。交流戦は4勝12敗と大きく負け越し、チーム状況は芳しくない。中でも不振を極めていたのがFA移籍した中村紀洋。開幕から打率.227、1本塁打。右の長距離砲の不振で打線は迫力を欠いていた。

 そんな中、白羽の矢が立ったのが、ファームで打率.304、6本塁打、31打点と結果を残していた丈武だ。一時は4割を超える打率でファームの首位打者にも立っていた。中村紀とは同じ右の内野手、かつ長打が見込める点で代役としては最適な存在だった。新しい背番号は中村紀(99)より1つ前の98。通算364本塁打の大砲が復調するまでに、背番号同様、1つでも前へ出るべくアピールしたいところだ。

 アイランドリーグでは今季、4選手がNPBに育成入団したが、支配下登録されるのは堂上隼人(福岡ソフトバンク)に続き、2人目。リーグ出身者としては5月に梶本達哉(オリックス)が1軍昇格したものの、登板機会なくファームに降格したため、今シーズン初の1軍出場選手となる。過去、野手では角中勝也(千葉ロッテ)が1軍で通算6安打、1本塁打の成績を残している。2年連続リーグ2冠王(本塁打、打点)の丈武には次戦以降、正真正銘のヒット、そして大きなアーチを期待したい。

>>丈武選手の入団前特集記事はこちら(2008年12月掲載「FORZA SHIKOKU」より)

<5月の月間MVPは光安(徳島)、荒木(香川)>

 四国・九州アイランドリーグは、5月度の月間MVP選手を発表した。
【投手部門】
徳島インディゴソックス 光安 祐輝
 5月成績 8試合 3勝0敗 防御率1.67
【野手部門】
香川オリーブガイナーズ 荒木 康一
 5月成績 64打数26安打 打率.406 20打点 6本塁打

 光安は新人で初受賞。徳島の選手が月間MVPを獲得したのは07年5月の山口寛史(08年限りで退団)以来2年ぶり。一方の荒木はリーグ5年目で初のMVPに輝いた。月間MVPはFAX、メールでのファンによる投票で決定され、光安には21日(日)の徳島−福岡戦(アグリあなん)の試合前、荒木には19日(金)の香川−高知戦(サーパス)の試合前にスポンサーのミズノ株式会社と読売新聞社より、トロフィーとミズノ製品、および賞金が贈られる。

<徳島、練習生の新田と契約>

 徳島インディゴソックスは10日、練習生の新田禎人捕手と選手契約を結ぶと発表した。背番号は50。新田は昨季、香川に練習生として所属。昨オフの合同トライアウトを経て、今季は徳島で練習生として参加していた。


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