プロ野球はオールスターも終了し、いよいよ28日からは後半戦に突入する。現在、パ・リーグは首位・北海道日本ハムと2位・福岡ソフトバンクのゲーム差が1。そしてセ・リーグは首位・巨人と2位・中日のゲーム差が2.5。両リーグともに上位2チームの優勝争いが最大の見どころとなりそうだ。
 パ・リーグの首位争いは日本ハムとソフトバンクの2チームにほぼ絞られてきた。なかでも打線の好調さが目立つのが日本ハムだ。打率部門では、3割3分3厘の稲葉篤紀がトップを走る。続いて3割2分9厘の糸井嘉男と高橋信二が続いている。さらに金子誠も3割2分9厘と好打率をマーク。また、小谷野栄一は稲葉に次ぐチーム2番目に多い打点52を叩き出しており、打線に切れ目がない。一方、投手陣はダルビッシュ有、八木智哉と左右の先発陣に加え、建山義紀、武田久のリリーフ陣も安定している。故障者が出なければ、2年ぶりのリーグ優勝の可能性は高い。

 逆にその故障者で不安視されているのがソフトバンクだ。和田毅が左ひじ痛で、松田宣浩が右手首骨折で長期離脱となったことに加え、先発の大黒柱である杉内俊哉がやや低迷気味だ。そこでカギを握るのが中継ぎとして活路を見出した新人の摂津正。前半はリーグ最多の42試合に登板し、防御率1.97と見事なピッチングでチームを支えた。あとはルーキーの奮闘に打線が奮起するかどうか。勝ち方を熟知している松中信彦、小久保裕紀といったベテラン勢に期待したいところだ。

 セ・リーグは巨人と中日との優勝争いが激化してきた。4月から独走態勢を築いてきた巨人だが、ここに来て、その勢いに陰りが見え始めている。一方、中日は前半戦を8連戦で終え、最大9あったゲーム差を、2.5にまで縮めた。それだけに勢いという点では、中日に分がある。今後、さらに激しい首位攻防戦が繰り広げられることが予想されるが、注目のひとつはリードオフマンの2人だ。

 これまで首位打者を走ってきたのが若きリードオフマンの坂本勇人(巨人)。しかし、疲労からか徐々に精彩さを欠くバッティングが目立つようになり、前半戦終了間際には腰痛で3試合の欠場を余儀なくされた。オールスターには元気に出場したものの、4打数無安打という結果に終わっただけに、腰痛の回復具合も気になるところだ。

 その坂本に代わって現在、リーグトップの打率3割2分2厘をマークしているのが井端弘和だ。今季途中から1番に入り、出塁率も3割9分9厘とリーグトップを誇っている。主砲ブランコがリーグ最多の打点74をたたき出しているのは、決してホームランの数だけが要因ではないだろう。ブランコの前にどれだけランナーをためられるかにもかかっている。その先導役となっているのが井端である。オールスターでも7打数6安打と好調さをアピールした。

 果たして坂本がプロ野球史上最年少記録を樹立するのか、それとも井端がプロ12年目で初タイトルを獲得するのか。小笠原道大(巨人)も含めて、首位打者争いがチームの勢いにも大きな影響を及ぼしそうだ。