当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が23日(日)、22:00より放送されます。この番組では毎回、各スポーツから一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は日本人男子で初めてハンドボールのスペイン1部リーグに挑戦する宮大輔選手をお招きします。
(写真:一流のテクニックをコート上で披露する場面も!)
 当サイトでは番組に先駆けて、宮選手とのインタビューの一部を紹介します。
 
二宮: スペインへの移籍決定、おめでとうございます。決意のほどはいかがですか?
宮: 今回、日本人男子で契約したのは僕が初めてなんです。ハンドボールの最高峰なので、そこで新たなチャレンジができるという喜びや期待が大きいですね。

二宮: ちょっと調べたら、スペインリーグの選手たちの平均身長は、190センチ以上だそうですね。宮さんの身長は173センチ。まさに巨人の中に入って、点を取らないといけない状況です。
宮: 相手は大きいとは思いますけど、一緒にプレーをする中で、体が小さいことを逆に武器にしたいですね。僕の前に2メートルの選手が立つと、僕もゴールが見えないんですけど、キーパーも僕が見えない。その上で、どれだけ相手をかわしていけるか。僕は小さいので、相手との間合いをすごく大切にしてるんですよ。

二宮: つまり相手との距離感ですね。
宮: そうです。手を伸ばしてもらっていいですか。いつも僕はこの距離を保ってるんです。この中には相手を入れさせないし、入ってこようとすれば横に逃げてしまう。 

二宮: その点で、ヨーロッパの選手たちの間合いは日本人とは違うのでは?
宮: 違うんですよ。彼らはリーチが長いので、日本だったらいけるところでもつかまれてしまう。だからこれからの練習で、その感覚をつかまなくてはいけないですね。

二宮: そうでしょう。昔、ドイツに行ったサッカーの奥寺康彦さんが言っていましたね。「一番最初に戸惑ったのは、相手の足の長さ。届かないと思ったボールでも相手は届いてしまう」と。やはり慣れるまでに時間がかかったそうです。
宮: 僕は小さいから相手と比べれば力の差がある。つかまれたらもうダメなんですよね。だから、その距離感はとても大切にしなくてはいけないと感じています。

二宮: それだけにやりがいはあるでしょうね。大きくてレベルの高い選手を相手に点を取って活躍すれば、こんなに気持ちいいことはない。
宮: そうでしょうね。どうやって点を決めていくか、常に考えています。それが自分のハンドボールという幅を広げてくれるかなと。

二宮: こうやってゴールを前にお話ししていると、コートは戦いの場だという気がしてきます。
宮: ぜひ、二宮さんにもコートにこうやって立ってもらって、本場の雰囲気を体験してもらいたいですね。
二宮: それができればうれしいですね。でも、ゴールキーパーだけはイヤかな(笑)。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 番組最大の見どころは、コート上で宮選手が実際にシュートを打ちながら、さまざまなテクニックを説明する場面。相手に隠れて球の出どころを見せないシュートや、フェイントをかけて股を抜くシュートなど、多彩な打ち方を余すところなくお見せします。さらにはテクニックを生み出すヒントとなった他のスポーツや映画の存在も明らかに。中でもスパイダーマンの動きに惚れている理由を身振り手振りも交えて熱く語ります。

 昨年、「中東の笛」による予選再試合に敗れ、北京五輪への出場を逃した日本代表。「現役中にオリンピックに出る夢をかなえたい」。宮選手はスペイン移籍の狙いをこう明かします。「ハンドボール・メジャー化宣言」を掲げ、日本ハンドボール界を牽引する男の飽くなき向上心、知られざる葛藤、そして秘めたる決意――。ハンドボールファンはもちろん、すべてのスポーツ好きのみなさんが、最後まで楽しめる内容に仕上がっています。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースで2010年3月まで全12回シリーズでお届けしています。秋以降も一流のアスリートが続々と出演します。宮選手編の放映に合わせ、先月、大好評だったサッカー日本代表・中澤佑二選手の回も20日(木)23:00〜再放送されます。ぜひ合わせてお楽しみください!

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