当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組「勝負の瞬間(とき)」で9月27日に放送された横綱・白鵬編が、好評につき再放送が決まりました。17日(土)、13:00より放送です。この番組では毎回、各スポーツの一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。今までのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。
(写真:ライバル・朝青龍についても質問をぶつけます)
 番組ではモンゴルへの帰国寸前で宮城野部屋に拾われたエピソードなど、入門から横綱昇進までの道のりを白鵬自身が振り返ります。意外な日本語習得法や、体を大きくするために実施した規格外の行動など、興味深い内容が盛りだくさんです。さらには白鵬関の稽古にも密着取材。四股、すり足、鉄砲といった基本を繰り返す中で磨かれた横綱の強さの秘密に迫ります。

 番組の後半では強烈な突っ張りのごとく、次々と繰り出される二宮清純の質問を、横綱がどう受け止め、言葉を返すのかが見どころです。「なぜ日本人力士は弱いのか」「横綱の品格とは何か」など、以下のようなインタビューが展開されています。

二宮: 年間最多勝の記録は朝青龍関の84勝です。今年(秋場所終了時で71勝)は狙えるんじゃないですか?
白鵬: まぁ、そうやって意識すると体が固くなってダメですから。一生懸命、稽古に精進していれば、遠くはない目標ではありますけど、結果はついてくるものだと思っています。

二宮: ライバルとしてみた場合に、朝青龍関の強さの秘密ってどこにありますか?
白鵬: うーん、やっぱりその集中力と気迫、そしてスピードですよね。

二宮: 歴代の横綱の中で、あれだけスピードを持ち合わせた力士は、そういなかったんじゃないかと思います。
白鵬: いないんじゃないですかね。ましてや(立ち合いで)頭から行く横綱もあまりいないんじゃないかと思います。そういう意味で前はやりづらかったですね。

二宮: 去年の夏場所の千秋楽、取組が終わった後に、朝青龍関にダメ押しをされて睨みあった時がありましたよね。あれはちょっとエキサイトしましたか?
白鵬: 僕はその場所、西の横綱で、もうその時点で優勝の可能性もなかったんです。でも、せめて(朝青龍に勝って来場所は)東の横綱をとりたいという気持ちがありました。そこで、ぱっとしない形で負けちゃいまして、ちょっと気が立っちゃった感じですかね。

二宮: 白鵬関はあまり感情を表に出さないだけに、あれだけエキサイトしたことで、土俵に賭ける本気度が逆に伝わったんじゃないかなと思います。
白鵬: まぁ、そう言ってもらえると本当に嬉しいですよね。土俵を降りた時は「やっちゃった」という後悔より、「勝負にこだわったんだから」って気持ちじゃなかったかな。

二宮: まだちょっと若かった部分があったんですかね。
白鵬: ですかね(笑)。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

「横綱の重みはなった人しかわからない」。最後のシーンで白鵬関はこう語っています。常に“成績が悪ければ引退”というプレッシャーと戦っている第一人者の偽らざる思いも感じさせる貴重なドキュメントです。

 この「勝負の瞬間」は月1回ペースで2010年3月まで全12回シリーズでお届けしています。次回はボクシングWBCバンタム級チャンピオンの長谷川穂積が登場。連続防衛を続ける強さの理由を解き明かします。放送から11月1日(日)21:00〜。ぜひお楽しみに!

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