16日、プロ野球パシフィックリーグのクライマックスシリーズが開幕。第1ステージ第1戦は先発全員安打で11得点を挙げた東北楽天(シーズン2位)が福岡ソフトバンク(シーズン3位)に大勝し、第2ステージ進出へ王手をかけた。

◇第1ステージ(第1戦)
 岩隈、4失点も完投勝利(楽天1勝、Kスタ宮城)
福岡ソフトバンク 4 = 000400000
東北楽天     11 = 30400310×
勝利投手 岩隈(1勝0敗)
敗戦投手 杉内(0勝1敗)
本塁打   (楽)高須1号ソロ、セギノール1号2ラン、中島1号2ラン、山崎武1号ソロ
 楽天・岩隈久志、ソフトバンク・杉内俊哉。両チームが誇るエース同士の対決となったこの試合は、予想とは裏腹に楽天のワンサイドゲームとなった。
 1回裏、レギュラーシーズンの勢いそのままに、序盤から楽天打線が爆発した。最多奪三振のタイトルに輝いた杉内から1番・高須洋介がいきなりの先頭打者ホームラン。さらに四球で出塁した3番・鉄平を一塁に置いて5番・セギノールが初球をセンターバックスクリーンへ運び、2点を追加した。3回裏にはセギノールの犠飛で1点を追加すると、6番・中島俊哉がレフトポール直撃の2ラン。早くも杉内をマウンドからひきずり降ろした。

 しかし、ソフトバンクも負けじと反撃する。4回表、それまで無安打に抑えられていた岩隈に2番・川崎宗則、3番・松田宣浩が連打を浴びせると、4番・小久保裕紀が四球を選んで1死満塁とした。5番・オーティズのタイムリーで2点を返すと2死後、7番・田上秀則の打球を楽天セカンドの高須がはじき、2走者が返る。これで3点差に迫った。

 だが後半、楽天打線が再び息を吹き返した。6回裏、4安打の固め打ちで3点を追加すると、7回裏にはスタメンでただ一人ヒットがなかった4番・山崎武司にも一発が出て、7点のリードを奪った。投げては岩隈が5回以降、ほぼ完璧なピッチングを披露。毎回のように三振を奪う好投でソフトバンク打線に追加点を許さなかった。

 北海道日本ハムが待つ第2ステージまであと1勝に迫った楽天は明日の第2戦、チーム最多の15勝(6敗1S)を挙げた田中将大が先発する。一方、後がなくなったソフトバンクはホールトンの右肩に命運を委ねる。