今年のドラフトの目玉、菊池雄星投手(花巻東高)が25日、記者会見を開き、国内志望を表明した。菊池は29日に開催されるドラフト会議で複数球団から1位指名が確実視されている。しかし、メジャー志望も高く、その進路に対しては保留していた。今月にはプロ野球12球団とメジャー8球団のスカウトらが菊池と直接面談し、その思いをアピールした。その後、改めて花巻東高の佐々木洋監督や両親と相談し、決断を下したようだ。菊池は国内なら12球団どこでもOKの姿勢を見せており、ドラフトでの結果が注目される。
 18歳が下した決断は日本のプロ野球行きだった。今春センバツで岩手県勢初の準優勝の立役者となり、一躍“時の人”となった菊池。夏は準々決勝で背筋を痛め、ベスト4に終わるも、ドラフトの超目玉として複数球団からの1位指名が予想されていた。しかし、菊池からメジャーへの気持ちが語られ、その進路先について国内外で注目が置かれていた。16日からは5日間にわたって、日本プロ野球、メジャーと計20球団との面談が行なわれた。だが、全ての面談を終了した後の菊池の気持ちは、より迷いが生じていた。それから数日間、恩師と両親と話し合い、そして最後には自分自身が「国内」を選択。騒動に終止符を打った。

 現在、巨人と広島を除く10球団が1位指名する可能性があると言われている。これまでの最多は1989年の野茂英雄と90年の小池秀郎の8球団。高校生では95年の福留孝介(カブス)の7球団。10球団から指名されれば、史上最多となる。 

 菊池の夢は「記録よりもみんなの記憶に残る選手になること」。まずは日本のプロ野球でその夢を実現させる。4日後、将来の日本のエースがプロとしてその第一歩を踏み出す球団が決定する。