混セの演出家
もぐら叩きのようなペナントレースが続いている。セ・リーグはどこが強いのか、さっぱりわからない。
8月27日現在、得失点差だけなら広島が37(得点420、失点383)。しかし、借金3の4位である。
もちろん、プロ野球において得失点差は何の意味も持たない。ただ、“野球が下手クソ”なだけの話である。
広島は首位・阪神、3位・巨人にも勝ち越している。ところが、5位・中日、6位横浜DeNAに大きく負け越している。ある意味、大混戦を演出しているのは広島と言えるかもしれない。
首位・阪神の貯金は6つ。得失点差はマイナス(得点380、失点458)ながら、まがりなりにも首位にいるのは、1点差ゲームに7つも勝ち越しているからだ。
過去、6以下の貯金で優勝したチームは、セ・リーグでは1973年の巨人しかない。この年は巨人から最下位・広島までが6.5ゲーム差以内にひしめき合う大混戦だった。
巨人はここにきて(8月22日~27日)5連敗と精彩を欠く。27日には、経験豊富な井端弘和を2軍に落とし、ドラフト1位ルーキーの岡本和真を1軍に上げるなど、首をひねる“人事異動”も少なくない。
岡本の若さに期待するのはわかるが、果たして、その時期は今なのか。
2位・東京ヤクルトも、DeNA戦で蓄えた5つの“貯金”に支えられているだけで、チームに地力がついたとは思えない。
相撲にたとえると、横綱・大関を欠いた土俵を見ているようである。
(編集長N)