「Oさんに働いていただくことになりました」

 この電話から私の夏が始まった。念願だったスポーツライターの道が拓け、こうして今、当コーナーの原稿を書いています。

 3月に前職を辞めた私は転職活動をしていました。初めての転職――転職って具体的にどうやってやるのだろうか。まったくイメージできなかった私は、転職を経験した友人にアドバイスを求めました。
「毎日ハローワークに行って、面接対策を受けたり、履歴書の添削を受けたりしたよ」

 友人からのアドバイスを忠実に守ろうとしましたが、うだるような暑さと肌にベタッとまとわりつく湿気が私を家の外に出させてくれないため、ハローワークへは、行っても週に1回程度でした。しかも、ライター職の採用情報はかなり少なく、ほんの数社しか受けられなかったので、「自分がライター職に就ける確率は低いかもなぁ」と思っていました。そんなことを考えながら、録画したドラマを見ていたところでの採用の電話です。結果を聞いた後は嬉しすぎて、用も無いのに家の階段をなぜか上ったり下りたり、上ったり下りたり……。

 そして、7月下旬から弊社で働くことになりました。テープ起こし、校正、資料集め……。前職は一般企業の営業でしたので、今は全てが新鮮で刺激的でとても楽しいです。慣れないことも多く、失敗も少なくありません。自分の不甲斐なさに苛立つ時もありますが、それもきっと伸びしろなんだと自分に言い聞かせています。まだまだ自分次第で新しいことにチャレンジできるのだと痛感しております。

 うだるような暑さ、肌にまとわりつく湿気は例年の夏と同じはずなのですが、今年は過去に体験したことがないほどに“熱い”夏を過ごしています。

(スタッフ0)


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