サッカーW杯も残り3位決定戦と決勝を残すのみ。編集長もスタッフも、ようやく寝不足の日々から解消されそうな今日この頃です。

 当サイトでも全試合レポートや、現地からのコラムなどをお届けしてきましたが、大会期間中の事務所は、文字どおりの“不夜城”。スタッフが交代で試合レポートを執筆したり、現地とのやりとりをしていました。

 僕も期間中、1週間ほどブラジル時間で昼夜逆転の勤務となりました。
「I、今日も夜通しか。大変だな」
 そう声をかけていただいた編集長も通常の原稿執筆や講演の仕事に加え、深夜のテレビ観戦……。昼夜もない状態で、栄養ドリンクやサプリメントは手放せません。

「I、これを飲め。元気が出るぞ」
「I、これを食べろ。お腹すくから」
 
 ドリンクやサプリ、そして夜食まで編集長に用意していただき、ありがたく頂戴しながら、「日本は負けても眠気には負けない」を個人的なスローガン(?)にして頑張りました。

 しかし、夜勤というのは、なかなか大変なもの。丑三つ時になると、生理的にどうしても睡魔が襲ってきます。

 グループリーグの場合、キックオフは3時間おきです。前の試合と次の試合の間には1時間のインターバルがあります。試合中に居眠りするわけにはいきませんから、本当に眠くなった時には少し事務所のソファーで仮眠をとり、次の試合に備えていました。

「I、寝るなら、これ使っていいぞ」

 編集長は日頃から事務所で仮眠をとることも多いため、徹夜の準備も万全です。まくら代わりのクッションに毛布と、いろいろアイテムを持っています。それらを使わせていただきながら、1週間を乗り切ることができました。

「I、寝る時は着替えたほうがいいぞ」
 
 寝間着代わりのTシャツも編集長からいただきました。

「ありがとうございます。でも、編集長は体が大きいからサイズ合わないですよ」
「それがいいんじゃないか。体を締めつける服だと寝にくいだろう?」

 なるほど。そのご厚意に感謝して、仮眠をとる際、早速、いただいたTシャツを着ることにしました。シャツを脱ぎ、Tシャツをはおると、どこか不思議な感覚がします。

「ん? なんかスースーするな」

 Tシャツを着たはずなのに空気が直接、背中にあたる感触がするのです。一端、Tシャツを脱いでみると、驚きの光景が広がっていました。

「なんだ、こりゃ?」
 
 なんと、そのTシャツは背中部分がザックリと切れていたのです。背中の中心あたりまで縦にまっすぐスリットが入っていました。

 定規で線を引いたように切れているので、着た時に破れたようには思えません(まだピチピチのTシャツなら、メダボ気味の体型ゆえに破れるかもしれませんが、サイズはダボダボでした)。おそらく誰かが意図的に切ったものでしょう。

 もともとのデザインか、それとも編集長が寝間着にするならと丁寧に切っていただいたのか……。ひょっとしてカマイタチ!?

 謎は解明できず、背筋が一層、ヒンヤリして仮眠をとるにも眠れなくなってしまった深夜3時の出来事でした……。 

(怖がりなので深夜、ひとり事務所にいると、ちょっとした物音でビクビクしていました……スタッフI)
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