サッカーブラジルW杯が閉幕し、サッカーファンの方はようやく寝不足の日々から解放されていることと思います。僕もサッカー担当として現地へ行かせていただき、帰国後もW杯の時間帯に合わせたシフトで勤務していたため、大会終盤は曜日の感覚が少しずれていました。これから、少しづつ、生活リズムを戻していきたいところです。

 そんなW杯期間中のある日、僕は試合時間に合わせて、午前0時に出社しました。スタッフルームに入り、何気なくキッチンへ向かうと、そこには信じられない光景がありました。空になった寿司桶が置かれていたのです。

「僕のいない間に、みんなはお寿司を食べていた……?」

 事実を確かめようにも、スタッフは帰宅し、編集長も仮眠をとられていました。僕は心にモヤモヤしたものを抱えたまま、自分のデスクに戻りました。机の上には夜食用に買ってきたインスタントラーメン、キッチンには空の寿司桶……。一向に僕の心の曇りが晴れる気配はありませんでした。

 少し時間が経った後、編集長が水を飲みにスタッフルームへとやってきました。

「おう、Y.S.夜中にお疲れさん。体調大丈夫か?」
「大丈夫です。ありがとうございます……」
「本当か? 何か元気がなそうだけど……あ、そうだ。今日、みんなで寿司の出前をとったから、Y.S.の分も冷蔵庫にあるからな」
「え!? ありがとうございます!」

 僕の中にあったモヤモヤは、跡形もなく消え去りました。やはり、いい仕事をするには、心身を充実をさせることが重要なんですね(笑)。いや、僕の場合は腹を充実させることか……。

(スタッフY.S.)
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