我がガイナーズから中日に入団したドリュー・ネイラーが1日の巨人戦で先発することになりました。中日は最下位に沈み、ラウル・バルデスが故障離脱中。立ち上がりをうまく乗り切り、チャンスをモノにしてほしいと願っています。

 ネイラーはマイナーリーグでの経験も豊富で、コントールの良さが持ち味。ストレートと変化球のコンビネーションでバッターを打ち取れるため、大崩れしません。

 開幕からNPB各球団の編成担当者が視察に訪れ、いくつか獲得に興味を示したところがあった中、7月に中日が緊急補強というかたちで話がまとまりました。チームにとっては、前期優勝に貢献した先発の柱が抜けるのは大きな痛手。しかし、このリーグの選手にとってNPB入りは大きな目標です。評価されて入団でき、良かったと思っています。

 既に2軍でもまずまずの内容をみせており、新しい環境への適応は問題ないでしょう。投球テンポがよく、スタミナもありますから、先発でも中継ぎでも充分務まるはずです。

 もちろん、1軍となればコントロールミスは命取りです。ストレートの球速は150キロ手前で、特別、速いわけではありません。コースにしっかり投げ切り、ストライク先行でいけるかどうかが成功のバロメーターとなります。

 アイランドリーグでは後期シーズンが開幕し、ネイラーが抜けた投手陣は皆で頑張るしかありません。9月には10連戦を控えるスケジュールだけに、打線のフォローも不可欠です。

 幸い、前期優勝というアドバンテージがあるだけに、後期はチャンピオンシップを見据えた戦いができます。中日から派遣中の川崎貴弘、米国人右腕のウェスリー・エドワーズ、竹田隼人を先発で起用し、状況によっては抑えの松本直晃も頭で投げてもらうかもしれません。

 松本は硬式野球でのピッチャー経験はわずかながら、レベルが高く、伸びしろを期待されています。環太平洋大で同期だった又吉克樹(中日)と同じ場所に立つには後期でスカウトの評価をどのくらい上げられるかがポイントです。

 また野手では新人で打率.315を残した松澤裕介、3年目の大木貴将もスカウトから注目されています。松澤が体の強さが取り柄。北米遠征でも結果を出し、今後の勉強次第で成長が見込めます。

 大木は内外野ともこなせるユーティリティーが売りです。走塁技術も高く、玄人受けする選手です。三輪正義(東京ヤクルト)、亀澤恭平(中日)、水口大地(埼玉西武)のように俊足でドラフト指名を勝ち取れる可能性があるでしょう。

 後期は夏場の戦いだけに体力が求められます。選手はゲームに出ないと鍛えられません。限られた人数ですから、ケガをしない準備やケア、コンディショニングが大切です。監督としてマネジメントが一番の仕事になると感じています。

 毎試合、ベストコンディションを保つのは難しくても、悪いなりにどうやってバットを振り、腕を振って結果を出すか。選手にとっては、それを学ぶ2カ月になるでしょう。

 前期に続く優勝は簡単な話ではありません。各選手が試合の中で力をつけ、1試合1試合を勝っていく。育成と勝利を両立しながら、秋のチャンピオンシップを迎えたいと考えています。

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