アイランドリーグにとっては歓迎すべき出来事です。メジャーリーグ経験のある藤川球児が高知に入団しました。高知での初登板となった6月20日の試合では、香川・徳島連合チームの監督として彼の投球を相手ベンチから見ることができました。

 マスコミもお客さんも多数集まる中、どれだけ投げられるか。結論からいえば、ストレートの伸びも変化球の精度も全盛期と比較すれば物足りなかったと言えるでしょう。

 ただ、これは地元で投げる緊張感や、約1カ月の実戦ブランク、一昨年にヒジの手術を受けていることを差し引くべきでしょう。2度目の登板となった27日の愛媛戦ではスピードも上がったと聞きました。実績のあるピッチャーですから、投げるたびに雰囲気も出てくるでしょう。

 藤川にとってアイランドリーグは、鍵山誠CEOも発言していたように、おそらくトランジットの場。個人的にも、なるべく早くNPBで再チャレンジしてほしいと感じています。

 いつまで高知に在籍するかはわかりませんが、藤川クラスの選手がアイランドリーグを調整やステップアップの場所として活用してくれることはありがたい話です。しかも藤川は地元出身の選手。地域を盛り上げる意味でも、彼の決断を評価したいと思っています。

 BCリーグでは、ミッチ・デニング(新潟-東京ヤクルト)、ネルソン・ペレス(石川-阪神)、ヨヘルミン・チャベス(群馬ーオリックス)と3人の外国人がBCリーグからNPB行きを果たしました。独立リーグからNPBへ、そして上のレベルから独立リーグへという選手の流れが活発になってきたのは喜ばしいことです。

 独立リーグが選手を育て、NPBがスカウトし、補強する。そんなウィンウィンの関係がようやくできてきました。リーグ誕生から10年、ここまで来るのは遅かったくらいです。

 今後はNPBだけでなく、アマチュアとの交流ももっと盛んになってほしいと願っています。ここにきて大学チームとの交流戦や母校での練習参加などが可能になってきましたが、理想はサッカーのようにプロアマが一体となるシステムです。独立リーグが日本の球界でより確かな位置づけを占められることを望んでいます。

 そのためには独立リーグ側も存在価値を高めなくてはいけません。今回、リーグ選抜が北米遠征し、高いレベルでもまれたことは意義があったのではないでしょうか。

 7月末にはアイランドリーグ選抜チームを率いて関東に遠征し、イースタンリーグ混成チームのフューチャーズと3連戦を行う予定です。今回の北米遠征とはメンバーを変えながら、若くて生きのいい選手がたくさんいることをアピールしたいと考えています。

 我がガイナーズも、まだ発表はできませんが、7月中にファンの皆さんへ喜んでいただけるニュースをお届けするつもりです。ぜひ楽しみにしていてください。

(このコーナーは毎月1日に更新します)

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