NPBもアイランドリーグもオープン戦がスタートし、開幕が近づいてきました。ガイナーズは特徴ある新人が多数入ってきましたから、いろんなメンバーを使いながら、適性を見ようと思っています。

 皆さんにぜひ覚えておいてほしい選手がいます。ドラフト1位で入団した右腕の松本直晃です。2月27日の愛媛とのオープン戦では早速NPBのスカウトも訪れ、好印象を持ったようです。

 香川に来る前は軟式でプレーしていたピッチャーながら、球速は現時点で144キロ。フォームのバランスが良く、球質は素晴らしいものがあります。ケガから復活した竹田隼人、2年連続50試合以上登板の田村雅樹とともにチームに軸になってくれるでしょう。

 野手では18歳のショート岡村瑞希が将来性豊かです。グラブさばきがやわらかく、智勝コーチも鍛えがいがあるでしょう。高卒選手にしては体力もあり、実戦の中で育ててみたい素材です。

 外野手では左バッターの松澤裕介が打撃、足ともまずまずでセンターのレギュラー候補です。有山裕太が抜けたキャッチャーも、188センチ106キロと巨漢の赤松幸輔が入りました。まだまだピッチャーとの呼吸を合わせなくてはいけない面もありますが、今後、どれだけできるかを試合で見たいと思っています。

 今季は開幕前に社会人野球のJABA四国大会に参加することになりました。一昨年の日本選手権覇者・新日鉄住金かずさマジックや昨年準優勝のセガサミーなどが参加します。

 こういった交流はもっと早い時期からすべきでした。選手は実戦を重ねるうちに成長します。これをきっかけに大学などとも定期的に試合ができるようになるといいですね。選手たちにはプロとして、アマチュアのエリートに負けない気持ちで戦ってほしいと感じています。

 NPBでも東京ヤクルトの寺田哲也(元香川)、東北楽天の入野貴大、中日の山本雅士(ともに元徳島)とリーグ出身の新人投手が揃って1軍で投げています。どのピッチャーもリーグでは高いレベルのピッチングをみせてきたのですから、ぜひ開幕1軍を勝ち取ってほしいものです。

 そして2年目の中日・又吉克樹(元香川)は侍ジャパン入りを果たしました。サイドスローという武器があるだけに、結果を残せば代表に定着できる可能性があります。

 また10、11日に試合を行う欧州代表には、アレッサンドロ・マエストリ(元香川)も選ばれました。彼らには独立リーグを経由して、代表でも活躍できる道を示してほしいものです。

 NPBや代表で頑張っているリーグ出身選手を見ていると、今、四国にいる選手たちもチャンスはゼロではないと感じます。「これは使える」というアピールポイントさえしっかりすれば道は開けます。

 今季は夏に海外遠征もあり、秋のフェニックスリーグも含めれば、リーグ選抜に選ばれた選手はかなりの試合経験を積むことになります。その中で力を伸ばし、上のレベルで通用する戦力になってほしいものです。

 今季のガイナーズは未知数の選手が多いチームではありますが、ひとりでもふたりでも化ける存在が出てくるよう、僕も開幕に向けて見極めをしっかりやっていこうと考えています。

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