NPBは今日2月1日からキャンプイン。我がガイナーズも合同自主トレがスタートしました。このオフ期間中は毎年のことながらラグビー観戦を楽しみましたね。1月は大学選手権の準決勝、決勝、そして先日のトップリーグのプレーオフ決勝とテレビで堪能しました。

 大学選手権での帝京大の4連覇は、まさに偉業でしょう。勝負の世界で勝つことは大変ですが、勝ち続けることはもっと大変です。今季の帝京はさらに強さが増した気がしました。間もなくスタートする日本選手権でトップリーグ相手に、どんな試合を見せてくれるのか本当に楽しみです。

 そして、トップリーグのプレーオフ決勝のサントリー対東芝戦も好ゲームでした。激しい当たりで突破をはかる東芝と、シンビンで数的不利な状況で必死に耐えるサントリー。両者の攻防は見応えがありました。

 これだけ素晴らしい試合をしているのですから、もっとラグビーに注目が集まってもいいのではと感じます。現在のトップリーグは、オーストラリア代表のジョージ・スミス、オールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズ、南アフリカ代表のジャック・フーリーと世界的なスターが続々と参戦しています。しかし、世間でこのことが大きな話題となることはあまりありません。

 テレビを通じて海外のラグビーも観戦しますが、世界的にトップリーグは高いレベルにあると思います。ラグビーの醍醐味を味わえる舞台が身近にあるのですから、日本のラグビー関係者やメディアはアピールすべきでしょう。個人的には野球に匹敵するおもしろい競技と感じているだけに、ひとりのラグビーファンとして歯がゆい気持ちです。

 さて先日、大野豊さん、外木場義郎さんの野球殿堂入りが発表されました。昨年は北別府学さんと津田恒実が殿堂入りしましたし、2年連続でカープOBが選ばれたことはうれしいの一語です。

 大野さんは非常に面倒見がよい方で、僕も一緒にマージャンをやったり、お世話になりました。もちろん野球に対する姿勢も素晴らしいものがありましたね。

 どんなことがあっても、自分がやるべき練習はきちんとやる。果たすべき役割はしっかり果たす。当たり前のこととはいえ、それを当然のごとくやってのけるのは決して簡単ではありません。その意味では真のプロフェッショナルと言えるでしょう。

 大野さんはもともとドラフト外で入ったピッチャーです。プロに入ればドラフトの順位は関係ないといっても、下位で成功するのは並大抵の話ではありません。しかもチーム事情に応じ、先発、中継ぎ、抑えと、どんなポジションでも投げました。

 同じチームだったため、シートバッティングや紅白戦でしか対戦経験はありませんが、40歳が近くなっても球速が衰えませんでした。しかも年々、緩急を使う投球術に磨きがかかり、他球団のバッターには厄介な存在になっていたのではないでしょうか。右バッターに対して外へ逃げて落ちるスクリューも効果的で、右を苦にしなかった点も長く活躍できた要因でしょう。

 100勝100セーブ以上という記録はプロ野球の歴史でも、たった6人しかいません。しかも単なる100勝100セーブではなく、毎年のように優勝争いをしているチームで残した成績ですから一層、価値があります。 

 昨季、新人王を獲得した野村祐輔は、新人では元巨人の堀内恒夫さん以来となる防御率1点台を記録しました。これは立派な成績です。ただ、打線の援護がなかったとはいえ、9勝11敗と負け越してしまった部分で記録の価値はどうしても下がってしまいます。特に勝負どころの夏から秋にかけて勝てなかったのは大きな課題でしょう。

 個人成績も大切ですが、チームスポーツである以上、最終的には勝利に貢献することが大事です。野村も大野さんからいろいろ教わったでしょうから、今季は勝てるピッチャーに進化を遂げてほしいものです。  
 外さんこと、外木場さんは僕が現役の時には2軍のピッチングコーチをしていました。外さんといえば、武器はストレートとカーブ。ところが一度、バッティングピッチャーをしてもらった時に、ナックルを投げてきてビックリしたことを覚えています。
   
 何と言っても外さんは完全試合1度を含むノーヒットノーラン3度の実績が光ります。僕は当時、子供でしたから、そのニュースをすごいなと思いながら見ていました。それほど少年ファンの心を引き付けられる投手だったと言えるでしょう。

 131勝138敗と負け数も多く、名球界入りする成績には及ばないものの、外さんが残したインパクトは強烈でした。ノーヒットノーランを3度達成したのは日本では外さんと、沢村栄治さんしかいません。これにメジャーリーグでノーヒットノーランを2度達成した野茂英雄を加えた3人は、まさにレジェンドと呼ぶにふさわしいピッチャーです。こういった方と同じユニホームを着て野球ができたことは誇りに思っています。

 僕は殿堂入りは無理でしょうが、もし遠い将来、独立リーグに殿堂ができるなら、狙ってみたいですね(笑)。今季は香川を率いて7年目。ガイナーズが、そして独立リーグが地域の方にもっともっと愛されるよう、いい選手をたくさん育て、おもしろい野球をお見せできれば、と思っています。

 今年もまた新たな戦いのスタートです。温かい応援を引き続き、よろしくお願いします。

(このコーナーは毎月1日に更新します) 
◎バックナンバーはこちらから