開幕2戦目となった15日のレンジャーズ戦では2ゴール。2試合で3得点と個人としては滑り出し上々です。ただ、レンジャーズ戦は2-3で敗れ、チームは開幕から白星なし。ゴールを勝ちにつなげたかっただけに悔しさのほうが残ります。

 レンジャーズ戦での1点目は1点を先制された前半34分に生まれました。DFア・ロンの左サイドからのクロスを胸トラップし、左足でボレーシュート。この日の2点目を含め、香港ではヘディングシュートでのゴールが多かっただけに、どんな形でも得点できる点を示せた点は良かったです。

 ア・ロンは香港のU-23代表にも選ばれている期待の若手。今季は彼のパスが起点になってチャンスが生まれています。前線の僕が彼からもらったボールをきっちり決めれば、アシストという結果がつきます。

 いい結果が積み重なれば、それは自信につながるはずです。自信が増せば、より思い切ったプレーができるようになり、レベルがアップします。レベルが高まれば、周囲からの注目が集まり、それが選手にとっての力となります。

 こういった好循環を生み出す上でも、僕の責任は重大です。思い返せば、僕がプロ入りしたばかりの若手時代は、ピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)が随分、点を獲らせてくれました。彼が動くことでマークを外し、僕がフリーになる状況をつくってくれたのです。

 そこでゴールをあげることで、僕もプロでやっていける自信が芽生えました。ここまで長く選手を続けられているのも最初にピクシーが結果を出させてくれたおかげでしょう。だからこそ、僕もピクシーまでとはいかなくても、若い選手にいい思いをしてもらって、大きく成長してほしいと感じています。

 チームは僕が3得点をあげているものの、失点も多く、開幕前から取り組んでいた守りからゲームを組み立てるスタイルができていません。レンジャーズ戦でも2本のPKを許し、それが痛い失点となりました。

 PKになったのもパックパスを奪われたり、PA内での不注意が原因ですから、これは大いに反省しなくてはなりません。同じミスを2度繰り返すようではプロは失格です。トレーニングから集中力を高め、全員で守りを改善していく必要があります。

 レンジャーズ戦の敗戦を踏まえて臨むつもりだった22日の太陽ペガサス戦は、台風接近で延期となりました。大型で最大級の台風と報じられ、香港も強い雨と風に見舞われました。

 幸いにも大きな被害はなく、台風通過の翌日からは練習が再開できました。日本では台風が通りすぎると、爽やかな天候になるものですが、香港は相変わらず、湿度が高く蒸し暑い日が続いています。もうずっと、こういった気候なので、体もだいぶ慣れてきました(苦笑)。

 次節は28日のイースタン戦。これが終わると、クラブから4人の選手がU-23香港代表として東アジア競技大会に出場するため、僕たちはしばらく試合がお休みとなります。だからこそ余計に勝っておきたいところです。

 ペガサスは開幕2連勝と好調でしたから、延期になったことを前向きにとらえ、今度こそ今季初勝利をあげるべく全力を尽くします。その中で、僕も3試合連続ゴールができるといいですね。また、いいご報告ができるように頑張ります!

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)
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