約2週間ぶりに戻ってきた香港では、ちょっとショックなことがありました。1歳10カ月になる娘が、パパに対してよそよそしくなっていたのです……。

 おそらく久々の再会で、警戒心があったのでしょう。「パパを忘れられたか」と心配しましたが(笑)、すぐに娘の態度も戻り、一安心です。

 香港は相変わらず雨がよく降りますね。晴れていても夕立があり、湿度が高く、ジトッとしています。こんな気候がずっと続いているので、さすがに体は慣れてきました。

 気温も高いですから、冷房なしでは香港では生活できません。ただ、室内ではガンガンにクーラーで冷やしているところが多く、温度差で体調を崩さないよう、外出時は羽織るものを1枚持って出かけています。

 もちろん暑いからといって、来るシーズンへの準備をおろそかにするわけにいきません。特に8月末の開幕直後は、まだまだ気温が高い状態での試合が予想されます。暑い中でもパフォーマンスが落ちないよう、敢えて昼間に体を動かすようにしています。

 その日のメニューにもよりますが、朝から走って昼はジムで筋トレをしたり、昼下がりの炎天下でトレーニングをすることもありますね。1日に走る距離は約10キロ。これは1試合での走行距離から計算しています。

 単に10キロをジョギングするのではなく、サーキット走をしたり、速いペースで持久走をしたり、坂道ダッシュを取り入れたり、と内容にはメリハリをつけています。日本滞在中にお世話になった横浜FCのフィジカルコーチからもアドバイスをいただき、いいトレーニングが積めていますね。

 今回の帰国で、カズ(三浦知良)さんと一緒に練習はできなかったものの、コーチを通じてどんなトレーニングをしているのか知ることができました。年齢を重ねると、どうしても持久力が落ちてきます。僕もこのところ有酸素のトレーニングは意識してやってきました。カズさんも方向性は同じだと知り、「自分のやり方は間違っていない」と自信になりました。

 このオフは一度、体をリセットした後、有酸素トレーニングと筋トレで強化を図っています。日本でもユースの選手たちと、それなりの強度で練習でき、新しいシーズンに臨む土台は完成しつつあります。

 順調にトレーニングを重ねられるのは環境が整っている面も大きいですね。ジムは家があるマンション内にあり、徒歩数分。マンションから少し坂を登ると、1周500メートルほどのトラック付きグラウンドもあります。体を動かしたい時に、すく動かせる点は申し分ありません。

 新チームでの練習は13日にスタートします。ボールを使いながら改めてサッカーをする体をつくることになるでしょうが、フィジカル面は現状、いい仕上がりです。

 昨季は途中加入でエンジンがかかるまで時間がかかりました。新シーズンは開幕からフルスロットルで行けるよう、引き続き、トレーニングに励みたいと思います。まだまだ進化する福田健二に期待していてください。

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)
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