ご存知の方も多いと思いますが、このたびクラブから来季の契約を更新しない旨を告げられました。通告があったのはリーグ戦終了の翌日。サッカー人生ではスペイン時代に続き、3回目の経験となります。

 今季の僕は公式戦無得点に終わりました。クラブはイヴィッツア・バルバリッチ監督が退任し、新しい方向へ舵を切ろうとしています。プロである以上、結果を残せなければ来季のプランから外れてしまうのはやむを得ないこと。もう決まったことを、いろいろ言っても仕方がないと感じています。

 愛媛には3年強お世話になりました。地元のクラブでプレーできたことは自分のサッカー人生において本当に貴重な時間でした。引き続き力になれないのは残念ですが、来季以降、より強いクラブに生まれ変わることを祈っています。

 そして僕自身もこの通告を自分を見つめ直し、更なる成長を遂げるチャンスだと捉えています。今年はほとんどプレーらしいプレーができませんでしたから、むしろ例年以上に体調は良く、充電は100%完了していると言っていいでしょう。

 チーム練習にも普段通り参加し、紅白戦ではゴールを決めました。今季限りで退団する他の選手同様、次のステップに向けて「やるしかない」という強い気持ちで日々のトレーニングができています。

 今後は他クラブからのオファーを待ちつつ、Jリーグのトライアウトも参加予定です。国内、海外、プレーする場は問いません。

 家族も「次はどこでやるの?」という感じで、現役続行を応援してくれています。日本は言葉も通じますし、生活面で急に困ることはありません。その点ではスペイン時代よりも腰を据えて次の道が探せると思っています。

 先日のファン感謝祭に出席した際にも、サポーターの方から「来てくれてありがとう」「もっと愛媛で頑張ってほしかった」と温かい言葉をたくさんいただきました。支えてくれる家族、応援してくれるサポーターがいる限り、僕は前を向いて頑張ります。

 どんな選手でも、永遠に現役を続けることはできません。誰もがどこかで「戦力として必要ない」と判断され、最終的には引退していきます。プロである以上、これは避けられない宿命です。

 ただ、この逆境を乗り越えた先には、必ず新しい自分が待っていると僕は信じています。進む道は険しく厳しくとも、人生は後戻りできません。

 いつも僕のことを気にかけてくださっている皆さんには本当に感謝しています。その恩返しは言葉ではなく、プレーでお見せするつもりです。

 このコーナーで必ず、いい報告ができるよう、今できることを精一杯やっていきます。これからもプロサッカー選手の福田健二を、どうぞよろしくお願いします。 

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)
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